サッカー日本代表に過去の試合で見られなかった現象 スタッツは低調で遅攻ができなくなっている (4ページ目)
【縦に速い攻撃に終始】
特に気になったのは、日本がボールを奪ってから縦に速い攻撃に終始していることだった。実際、日本が前半で記録したシュートはプレス強度が高かった開始約20分に限られ、オープンプレーで記録した5本のうち3本は10秒以内。23分の小川のシュートも、自陣ボックス内で相手のクロスを遠藤がカットしてから22秒で記録したロングカウンターによるものだった。後半のシュート4本も、そのすべてが10秒台のフィニッシュだ。
その結果、試合を通して敵陣で打ち込んだくさびの縦パスはゼロ。これは過去の試合では見られなかった現象で、しかもサイドからのクロスも前後半ともに5本しかなかった。要するに、プレスの強度を落とした時もハイプレス時に効果的な、速攻オンリーになっていたことを示している。
強度の高いハイプレスは90分を通してできるものではない。それだけに、その強度を落とした時に、いかにしてボールを握りながら効果的な遅攻を織り交ぜることができるか。森保監督が「不安定なボールが行ったり来たり」と表現したこのボリビア戦で、日本が試合をコントロール下に置けなかった最大の理由はそこにある。
48チームが出場する来年のW杯では、おそらくグループリーグでは日本よりもFIFAランキングが低いチームとの対戦が2試合になる。その相手に今回のボリビア戦のような不安定な戦いをするようだと、足元をすくわれてしまう危険性も考えられる。そういう意味では、速攻と遅攻の使い分けと試合コントロールも、今後のチェックポイントになりそうだ。
著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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