サッカー日本代表、ガーナ戦快勝にも潜む見直すべきポイント 左右サイドそれぞれの問題とは
日本が2-0で勝利したガーナ戦。マイボールの際に最も目を引いた選手は右サイドのふたり、ウイングバック(WB)の堂安律とシャドーの久保建英だった。「そのピッチの中央に入ってくる動きについていけなかった」とは、ガーナのオットー・アッド監督の試合後のコメントである。
堂安と久保はともに左利きだ。左利きであることを誇示するように、格闘技で言うところの左半身の体勢でボールを操作する。3-4-2-1の2の右を務める久保、4の右を務める堂安が、身体を開き気味にしてボールを左足にセットすれば、縦より内に進出する可能性は上昇する。ガーナの選手たちもふたりにそうした傾向があることはわかっていたはずである。しかし、彼らはその動きについていくことができずに翻弄された。
その象徴が後半15分に堂安が決めた日本の2点目だ。内をうかがう体勢から、ガーナのディフェンダーの足下を抜くシュートをニアサイドに蹴り込んだ。ガーナはその動きを予想していながら決められた格好だった。
ブラジル戦のメンバーから新たにGK早川友基とMF田中碧が加わった日本代表 photo by Fujita Masato 一方の久保は、所属クラブのレアル・ソシエダでは右ウイングとしてプレーするので、両者は言わばダブルウイング的に構えたことになる。それこそがガーナの恐怖になっていたのだが、それでありながらふたりの進路は内だった。単独でもコンビネーションプレーでも縦を突破することは1度もなかった。当然、"ゴールの近道"と呼ばれるマイナスの折り返しが中央に送り込まれることも1度もなかった。後半、お役御免でベンチに下がった堂安に代わってピッチに立った菅原由勢が、試合終了間際にようやく1本を決めたにとどまった。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

