サッカー日本代表をレベルアップさせる「オランダ組」 小川航基と上田綺世の一撃に期待 (3ページ目)
【開幕から8戦8発の上田綺世】
オランダ・エールディビジで得点ランク首位を走る27歳は、後半アディショナルタイムにスコアを2-2とする同点ゴールを決めた。右サイドからのクロスがファーポスト際へ流れると、相手DFの視野から逃れた上田がダイビングヘッドで押し込んだのだった。「ワンチャンスで決める準備はしていた」と話す納得の一撃である。
在籍3シーズン目となるフェイエノールトで、開幕から8戦8発と結果を残している。2023-24シーズンは5ゴール、2024-25シーズンは7ゴールだったから、早々にオランダでのキャリアハイを更新したことになる。
得点量産を後押ししているのは、絶え間ない積み重ねである。自分のプレーを細部まで見つめ、さまざまな角度から検証してきた。
「フェイエノールトに入ってからうまくいかないことばっかりだったけど、自分ができないこと、自分に足りないもの、必要なものをチームと協力しながら、ひとつずつステップを踏んでやってきた。それは別にフェイエノールトへ行ってからだけではないですけれど、少しずつそれが自分の力になって、うまくいかないことに対して向き合った結果だと。あくまでも積み重ねです」
上田と小川が揃って得点を決めたのは、昨年9月のバーレーン戦以来2度目だ。試合後の森保一監督は「得点を期待するポジションの選手が取ってくれた。チームとして自信を深めて積み上げていける」と、オランダでプレーするふたりのストライカーを評価した。
10月14日には舞台を大阪から東京へ移し、ブラジルと激突する。日本対パラグアイ戦が行なわれた同日にソウルで韓国と対戦したサッカー王国は、5-0で大勝している。
遠藤航らの主力を多く欠くなかで、ブラジルにどこまで食らいつくことができるか。上田と小川の出来は勝敗のポイントであり、見どころでもある。
著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)
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