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サッカー日本代表メンバーは今回もバランスに問題あり アメリカ遠征の失敗は生かされず (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【三笘を外したのは妥当。久保は?】

 2010年の南アフリカワールドカップを目前にした2009-10シーズンに、CSKAモスクワの一員としてCLでベスト8に進出した本田圭佑のような"上がり馬"が出現する可能性はなさそうな雲行きだ。

 現在のベストメンバーを壊す選手がどれほど現れるか。それと本大会の成績は比例する。"現在のベストメンバーは8カ月後のベストメンバーに非ず"でなければならないが、その追求が甘いような気がしてならない。

 三笘が漏れたことは確かに大きなニュースである。しかし、最近の出来からすれば、その選択は妥当と言える。三笘は体調不良もしくは極度なスランプに陥っている状態だ。自慢のドリブル&フェイントが効かない。縦抜けを狙う果敢さ、闘争心、積極性に欠ける。ここは無理に招集せず休ませたほうが本人のためになると、筆者は記したが、森保監督も同じことを考えたのだろう。

 久保に関しても、休ませるべきタイミングを迎えていると記した。久保は調子が悪いというわけではない。実際にケガをしている。それなのに招集する理由がわからない。「所属クラブの医療スタッフとやりとりした結果」(山本昌邦ナショナルチームダイレクター)と言うが、呼ばないという選択もできたはずだ。ケガから回復途上にある守田英正(スポルティング)は今回、呼んでいない。メンバー発表前日に行なわれたCLナポリ戦には後半33分からピッチに立っているにもかかわらず、だ。基準が見えない。

 三笘、久保という二枚看板を同時に休ませるわけにはいかない営業的背景まで透けて見えるようだ。だがこの常連組を休ませれば、空いた席に新顔を投入することができる。三笘を休ませたことで、チャンピオンシップで活躍している斉藤を加えることができたわけだ。

 足首に不安を抱える選手を、日本で行なわれる代表戦のためにはるばる呼び戻すことに、森保監督は罪悪感を覚えないのだろうか。

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