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北中米ワールドカップ開催は大丈夫か? 「非サッカー大国」アメリカの問題点を摘出 (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 そして何より暑さ。今回はヨーロッパのゴールデンタイムに放送できるよう、多くの試合が正午か午後の早い時間に開始された。しかしその結果、フィールド上はしばしば過酷な状況に。キックオフ時に気温が37度近くまで上昇している試合もあり、国際プロサッカー選手協会(FIFPRO)は、いくつかの試合は選手の健康のためにも延期すべきだったと警告した。チェルシーのMFエンソ・フェルナンデスは、「プレー中にめまいがして地面に横たわらなければならなかった。この気温のなかでプレーするのは非常に危険」とFIFAにワールドカップのスケジュールを見直すよう求めた。

 アメリカで開催された前回の1994年ワールドカップは、史上最も暑かった大会として記録されている。しかしその後に行なわれた99年の女子ワールドカップも、今回のクラブワールドカップも、その教訓がまるで生かされていない。改善されたのは、給水タイムをとることぐらいだ。

 FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、これらの問題を解決するため、来年はより多くの試合が屋根付きのスタジアムで開催される予定だと述べた。確かにアトランタ、ダラス、ヒューストン、バンクーバーの会場には屋根とエアコンが設置されている。しかし、そうでないスタジアムも存在する。決勝が行なわれるメットライフ・スタジアムには屋根はついていない。

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