サッカー日本代表、E-1選手権優勝も戦術面は変わらぬ残念な実情 3-4-2-1の問題点を露呈 (2ページ目)
【大会MVP&得点王】
選手個人に目を向けると、攻撃陣では決勝点を決めたジャーメイン良が上々のパフォーマンスを見せた。
この試合で記録した日本のシュートは前後半合わせて4本(前半3本、後半1本)しかなかったが、そのうちの1本は結果的に決勝点となったジャーメインのもの。本人にとってもこの試合唯一のシュートだったが、こういったチャンスの少ない試合で一撃必殺とも言える貴重な一発を決めて勝利を呼び込んだのは、フィニッシャーとしての評価をより高めることにつながった。
得点以外にも、目を引くプレーが多かった。ミラーゲームにより各選手が韓国の圧力を受けるなか、右シャドーでプレーしたジャーメインはボールロストが少なく、頻繁にスペースでボールを引き受けては味方にパスをつなげ、前線で時間を作ることができていた。日本にとっては、トランジションが断続的に続くこのような試合において、安心してボールを預けられる存在となっていた。
後半に入って70分、中盤右サイドで相手のプレスを浴びるなか、川辺駿→ジャーメイン→川辺→望月ヘンリー海輝→ジャーメイン→川辺とつないでプレス回避に成功したシーンは、この日のジャーメインの好調ぶりを象徴するシーンだった。
代表デビュー戦となったホンコン・チャイナ戦で大量4ゴールをマークしていたジャーメインではあるが、対戦相手のレベルを考えれば、この韓国戦で決めた1点は大きな自信になったはず。しかも大会MVPと得点王という勲章も手にして、個人としても爪痕を残すこともできた。今後、この自信がサンフレッチェ広島でのパフォーマンス向上につながれば、9月以降の代表戦で再招集されるチャンスがあるかもしれない。
2 / 4