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サッカー日本代表・ワールドカップ最終予選のMVPは? 佐藤寿人が守田英正と鎌田大地を選んだそれぞれの理由 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【佐野海舟はいろんな役割を担える】

 また、早めに突破を決められたことで、最後の2連戦では新たな選手を試すことができました。そのなかからも既存の序列を覆すようなタレントの台頭が期待されるところです。

 可能性を示したのは、佐野海舟でしょう。2試合ともにスタメン出場しましたが、そのパフォーマンスからはこのチームにいろんな選択肢を与えてくれる存在だと感じられました。

 おそらく彼は、誰とコンビを組んでもスムーズにやれるタイプの選手だと思います。相手を潰せる部分もそうですし、次にボールをつなげていくところもそう。フリーランニングでスペースに入っていく動きも備えていますし、90分のなかでいろんな役割を担えるタイプの選手です。この2試合でクオリティの高さは見えたので、これから競争を促す存在になっていくのではないでしょうか。

 また、前回のコラム(『サッカー日本代表はなぜゴールを奪えなかったのか 佐藤寿人「守備ブロックを動かす作業は9番の仕事ではない」』)ではストライカーにスポットを当てましたが、インドネシア戦を見ても、今の代表の9番のタスクは多岐にわたるとあらためて感じました。

 その多くの役割を献身的に担った町野修斗も、今回の2連戦で評価を高めたと思います。背後を取るだけではなく、タイミングよく降りてきて2列目といい関係性を作っていましたし、サイドに流れてチャンスメイクもこなしていました。前向きの体勢を取れた時には、フィニッシャーとなり、目に見える結果も残しました。

 もちろん得点を奪うことが一番の役割ですけど、求められるさまざまなタスクを安定してこなせていました。今後は森保監督の選択肢に十分に入ってくるのではないでしょうか。

 佐野にしても、町野にしても、シーズンを通して強度の高い日々を過ごしたなかで、大きく成長を遂げたのだと思います。彼らには(よりレベルの高いクラブへの)ステップアップの噂も出ていますし、このふたりだけではなく、今夏には多くの選手が移籍する可能性があります。来年のワールドカップを考えれば、そのチーム選択も日本代表にとって大きなポイントになりそうです。

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