サッカー日本代表・ワールドカップ最終予選のMVPは? 佐藤寿人が守田英正と鎌田大地を選んだそれぞれの理由 (2ページ目)
【守田の貢献度は本当に高かった】
アウェーのバーレーン戦(2024年9月10日/結果は5-0)では、押し込みながら得点が生まれないもどかしい展開となりました。しかし、守田は相手を見ながら前に飛び出し、ラインを剥がすような動きも見せていました。自身も後半に2ゴールを決めたように、3列目の選手とは思えない活躍を披露しました。
守備ブロックのズレを作る守田のアクションは、引いた相手を崩すひとつの要因になっていたと思います。常に前向きのアクションを起こせるのも、守田の特徴のひとつです。リスクを恐れず、前に人数をかけるプレーを選択したからこそ、日本は勢いに乗れたと思いますし、3連勝というスタートダッシュにもつながった。その意味でも、最終予選前半の守田の貢献度は本当に高かったと思います。
一方で、予選の後半は鎌田大地の存在感が際立ちました。最終予選が始まった当初は、クラブの環境が変わったこと(2024年7月にラツィオからクリスタル・パレスに移籍)で難しい部分もあったと思いますが、シーズン終盤はカップ戦の優勝に貢献するなど調子を上げていき、そのいい状態を代表にも持ち込むことができたと思います。
鎌田は卓越したサッカーセンスを備えていますし、チームがうまく回るような役割もこなすことができます。とりわけ新戦力の多かった今回の2連戦では、気の利いた位置取りを保ちながら、周囲を生かそうとする姿勢がはっきりと見えました。
一方でインドネシア戦では2ゴールを奪ったように、決定的な仕事もこなすことができる。今回の最終予選では小川航基と並んで、チームトップタイの4得点をマークしました。しかも、大事な場面で結果を出す勝負強さも印象的でしたね。久保建英や南野拓実もすばらしかったですけど、アタッカー陣のなかでは鎌田が最高殊勲選手と言える存在だったと思います。
結果的に守田、鎌田とふたりを選びましたが、ほかにも遠藤、板倉滉、鈴木彩艶など、各ポジションで軸となる選手たちがワールドカップ出場に大きく貢献しました。
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