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サッカー日本代表・佐野海舟の活躍に見る「2度目」の重要性 森保監督に問われる新戦力発掘の本気度  (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 オーストラリア戦とインドネシア戦では、対戦相手も違えば、アウェーとホームの違いもある。日本とは異なるオーストラリアのピッチコンディションが、佐野を慎重にさせた部分もあっただろう。

 あるいは、インドネシア戦では久保、鎌田、遠藤航という主力組に囲まれたことで、より快適にプレーできたのかもしれない。

 だが、やはり大きかったのは、本人の言葉にもあるように、「オーストラリア戦での課題を意識した」こと。つまり、"2度目のチャンス"が与えられたからこそ、佐野は堂々、ワールドカップメンバーの有力候補に名乗りを上げたと言ってもいい。

 同じボランチの熊坂光希が負傷離脱しなければ、佐野の2度目もなく、彼がこれほどいいイメージを残してこの2連戦を終えることはなかったかもしれない。

 翻(ひるがえ)って、他の新戦力候補たちである。

 今回の2連戦では、招集された総勢27人のうち、正GKの鈴木彩艶、ベテランの長友佑都、ケガの熊坂を除く24人もの選手に出場機会が与えられた。

 だが、そのほとんどが出場は1試合のみ。この2試合がいわば消化試合となったことで、従来の主力選手を休ませるためだけに、彼らが駆り出されたのだとしたらもったいない。本当の意味で新戦力を掘り起こそうと思えば、2度目がなければ意味がないはずだ。

 本来なら最終予選全10試合を有効活用し、段階的に新戦力の発掘と取り込みを進めるべきだったと思うのだが、結局それが目的とされたのは、最後の2試合だけ。全員まとめて一括テストを行なうような格好になったため、ほとんどの選手が今回の出来にかかわらず、主力組のなかでどれだけできるかは未知数のままだ。

 だからこそ、彼らに次なる機会が訪れることを望みたい。

 今回の2連戦を通じて、もう一度日本代表で見てみたいと思わせる、楽しみな選手が多少なりとも現われたことは間違いないだろう。

 町野修斗は最前線でオールラウンドな働きを見せたし、三戸舜介は鎌田にうまく特長を引き出してもらいながら、何度もチャンスを作り出した。オーストラリア戦に出場した平河悠、藤田譲瑠チマ、関根大輝らも、そうした選手たちのひとりである。

 もちろん、2度目のチャンスの対象には、今回の活動では存分に特長を発揮しきれなかった選手が含まれてもいい。そこで得た教訓を生かすことで、パフォーマンスが大きく向上する可能性があることは、別人と化した佐野が示している。

 およそ1年後に開幕するワールドカップ本大会へ向け、日本代表はどれだけチーム力を底上げできるのか。その成果は、"2度目"の行方にかかっている。

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