サッカー日本代表で存在感増す久保建英 だがワールドカップ本大会でもこの「タスク」は相応しいのか (2ページ目)
【「ここからはそんな余裕はない」】
「何回か、ネガティブトランジションでボール奪取してからのいい攻撃ができていましたし、よかったと思います。後半は鎌田選手がお役御免で交代し、僕によりボールが集まるようになって。みんなが結果を残すことで、(途中で出た)他の選手もチャレンジできたと思います」
後半も佐野海舟がドリブルで持ち上がった攻撃が阻まれたあと、久保はライン間でボールを受けると、裏に走り込んだ町野に向け、完璧な浮き球のパスを左足で送り、これが再びアシストになった。ラ・リーガで限られた空間のなかですりつぶされるようなマーキングを受けているだけに、インドネシアの守備はいないに等しい感覚だろう。
「リーダー」
今回、久保は森保一監督にそんな役目を与えられていたが、見事に期待に応えた。リーダーであることを自然に受け入れ、気負いよりもモチベーションにできるところは生来的な資質と言える。ふてぶてしいまでの"陽キャラ"で、どこまでも前向きなところはスーパースターの匂いがする。"陰キャ"はどこかに悲壮感を漂わせるものだが、彼にはそれがない。失敗も成功につなげる揺るぎなさだ。
もっとも、今回の久保に与えられた役目やタスクが世界の強豪と対峙する際にベストかというと、疑問は残る。
そもそも、世界ではアタッカーにキャプテンマークを任せるのは、相当に円熟した場合がほとんどである。キャプテンはボランチ、センターバックの主力選手がなるケースが多い。なぜなら、後方や中央でチームを見られる選手のほうが全体に目を配れるし、効率的に士気を高められるからだ。アタッカーはゴール、もしくはゴールに関わる仕事に集中するため、ある程度のエゴも必要で、「負担を背負わせるべきではない」というのが世界の定石だ。
「これで(キャプテンマークを)4年間は巻くことはないのかなって(笑)。ここからはそんなに余裕はないと思うので。思い出としてしまっておこう、と。遠藤(航)選手に巻いてもらって......そのうち、(代表が)長くなってきたら巻くことになると思いますけど、今はキャプテンやりたいわけではないんで、やんなきゃいけないならやります、って感じで......」
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