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「久保建英のチーム」になったサッカー日本代表に、セルジオ越後「ワールドカップまでの課題は、選手層の薄さとマッチメイク」 (2ページ目)

  • 渡辺達也●構成 text by Watanabe Tatsuya

【強い相手と戦う機会が少ないのはアジアの宿命】

 選手層以外で気になるのは、やはり強い相手と戦う機会が少ないこと。アジアの宿命だね。

 例えば、GKを含めた最終ラインの守備に関して、最終予選ではあまり攻めこまれることはなかった。サウジ戦でも、ほとんどハーフコートで試合を進め、最終ラインの3バックも相手陣に入ってボールを回していた。でも、そんなことはW杯ではありえない。本当に強い相手と戦ったときにどれだけ守れるかは試されていない。

 サウジ戦では20歳の高井幸大がA代表初先発で堂々としたプレーを見せていたけど、あの試合展開では、最終ラインの選手は皆うまく見えるので評価が難しい。

 それは攻撃陣にも言えること。最終予選では8試合で24得点も奪ったけど、それもやはりアジアだからこそで、W杯の舞台であそこまで押し込んで主導権を握る展開になるとは考えにくい。レベルの高い相手に、どこまで攻撃が通用するのか。

 だからこそ、W杯までの期間でどんなマッチメイクができるかが重要になる。

 6月の最終予選残り2試合(豪州戦、インドネシア戦)を終えると、その後は国内組で臨むことになるだろう7月の東アジアE-1選手権(韓国)を経て、9月に北米遠征2試合、さらに10月、11月に国内で4試合が予定されているという。

 W杯予選が始まったヨーロッパ勢と試合を組むのは難しいにしても、9月にW杯が終わる南米勢など、どこまで強い相手を引っ張ってこれるか。そこには日本サッカー協会もたくさんお金を投資する価値がある。個人的には、昨年のアジアカップで負けたイラク、イランとの対戦も検討してほしい。協会は頑張りどころだね。

(5)>>「ワールドカップ優勝」宣言の森保ジャパンに、セルジオ越後「今の豪州、サウジにホームで勝ちきれない国が優勝を語るのはちょっと無理がある」

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著者プロフィール

  • セルジオ越後

    セルジオ越後 (せるじお・えちご)

    サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】

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