サッカー日本代表をも揺さぶる欧州クラブ「出世レース」 遠藤航はリバプールを出るか (2ページ目)
【微妙な立場に置かれる遠藤】
選手のステイタスを一変させる可能性がある移籍は、そういう意味で注目に値する。見過ごせないポイントになる。
そのタイミングは年に2回。シーズンの前後と現在だ。今季、冬の市場が閉じるのは2月3日。残り10日と迫っている。例年、動きがあるのはここからだ。最終日の最後の瞬間まで目を離すことはできない。
気になるのは日本人の動きだ。2026年W杯本大会まで、移籍の機会は3度ある。選手の格はそれを経てどう変化するか。代表監督が選ばざるを得ない選手の顔ぶれは、その間どのように推移していくか。
大袈裟に言えば代表チーム内の順位、スタメン等に変化が起きるかもしれない。日本の場合、W杯アジア予選の戦いを通して得るものはあまりにも少ない。相手から刺激を受けにくいこともあり、大幅なチーム力向上は見込めない。新たな発見があるとすれば欧州になる。日本代表のチーム強化は欧州サッカーに委ねられている。
この冬の移籍の有無が注目される遠藤航(リバプール)photo by MB Media/AFLO 微妙な状況に置かれているのは代表キャプテンの遠藤航(リバプール)だ。前任監督のユルゲン・クロップに見込まれ、シュツットガルトから引き抜かれたのは昨季(2023-24シーズン)から。前半こそ出場機会に恵まれず苦戦したが、後半はスタメンの座を勝ち取り、選手としての格を大きく上げた。
だが今季、監督がクロップからアルネ・スロットに代わると出番は激減。今季ここまで、国内リーグに出場した時間はわずか54分に過ぎない。リバプールでこれまでプレー機会が与えられたフィールドプレーヤーは20人を数えるが、遠藤の出場時間は、フェデリコ・キエーザ(イタリア代表)、ハーベイ・エリオット(U-21イングランド代表)に続く少なさだ。キエーザがベンチを温めた原因はケガなので、実質では20人中19番目の存在ということになる。
ちなみに昨季の出場時間は1723分。フィールドプレーヤーのなかでは9番目だった。急にサッカーがヘタになったのではない。監督との相性にすべての原因がある。
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