青山敏弘は岡崎慎司に言われてハッとした 「もっと無理をすればよかった」という想い (2ページ目)
【西野監督に「残念だ」と言われて...】
「あの時は身体がフィットしたんですよ。前の年は完全に崩れたけど、そこからまた勝負できる身体を作って、コンディションを上げることができた。城福(浩)さんのベーシックな4-4-2のやり方がすごくハマって結果も出たので、すごく楽しかったですね。自身のパフォーマンスもよかったので、あの身体で代表でも戦ってみたかったですね」
結局、戦うことはできなかった。またしても試練が訪れたからだ。右ひざのケガによって代表を辞退し、ブラジルに次ぐ2度目のワールドカップ出場はならなかった。
「シーズンの序盤にちょっと痛めて、ずっと痛みはあったんですけど、できないほどではなかった。でも、代表に呼ばれたあたりの試合で、痛みが増してきて。代表には行ったんですけど、ドクターからアウトって言われたので、もうあきらめるしかなかったですね。
今となっては思うんですけど、ひざ以外の状態はよかったので、あの身体で行っていたらどうだったかなって。一度ワールドカップを経験しているから、そんな生半可な状態で行ったとしても勝てなかっただろうなという想いもあって。
でも、前の年にボロボロになった自分が、代表に呼ばれるところまで戻ることができた。そこまで行けただけでもよかったですし、最後に西野さんに言われた『残念だ』っていう言葉だけでうれしかったですね。ここまで上がってこられたんだなって」
一方で、もっと無理をすればよかった、という想いも拭えない。
「2015年のきつかった時に、ハリルさんの代表を断ってしまった。あの状況に打ち勝てなかったのが、結局自分なんだなって。ここが自分の限界というか、あきらめがついたっていうか。
でも、あの時(ロシアW杯の代表チームから離脱した時)にオカちゃん(岡崎慎司/当時同じくケガを抱えていた)には『こんなところであきらめられないでしょ?』って言われて。そこでハッとしたんですよ。そうだよなって。
オカちゃんは、ずっとワールドカップを目標にやってきたから、ロシアでもがんばれた。でも自分は、その前に逃げたとは言わないけど、そこが限界だった。自分でラインを引いて、結局、そのラインまでしか行けなかった。今思えば、そういうサッカー人生だったんだなって」
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