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なでしこジャパンで躍動した守屋都弥がINAC神戸で求められていること、求めていきたいこと (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・構成 text by Hayakusa Noriko

――ジョルディ監督も2期目に入って、そのイズムがチームにかなり浸透してきているように感じます。

守屋(監督の志向するサッカーが)だいぶ形になってきたと思います。自分たちの点の取り方がわかってきたので。ただ、まだ「あれ? どうやっていたっけ?」と混乱が見られる部分もあって、ときにコケてしまう試合もあるんですが......。

――強いチームであるほど、悪い意味でスタイルを崩せなかったりするものですが、今のINAC神戸には臨機応変さがあるように見えます。

守屋 最悪の状況を想定したトレーニングもやっていて、たまにそこでは(選手同士が)ぶつかります(苦笑)。でも、そこからいろいろと話し合って詰めていく。だから最悪な状況に直面したら、(トレーニングでやった)ああいう場面に持っていけばいい、という安心感があります。それで(危機を)防げたこともあって、チームとしての最終手段を持っているから守れている、というのもあると思うんですよね。

――WEリーグも4シーズン目を迎えて、手堅く戦ってくる相手が増えているのではないですか。

守屋 それ、思います!(相手も)こちらのことをわかっているので、右を切ってくるとか、相手FWが前から切ってくるとか。しかも、相手が5バックになったときはマンツーマンで対応してきて、下がるのも速い。

 じゃあ、どうする? という状況は結構あるんですが、今シーズンはそういうところでスペイン人FWのロタ(カルロタ・スアレス)が(相手の守備を)荒らしてくれて、点を取ってくれる。相手が対策してきて、自分も思うように動けないところもあるんですけど、その分、ほかの選手が仕事をしてくれて。それで勝てているのが、今シーズンのINACの強さだと思います。

――チームの成長の幅は"じゃあ、どうする?力"ですね。それはある意味、主導権、選択権は自分たちにある、ということですよね。

守屋 それ、すごく思います。自分、結構性格が悪いんで(笑)、(対峙する相手に対して)「自分がこう走ったらどうする?」みたいな思考でプレーしているところがあります。「そうしたら、あなたは上がれないでしょ?」みたいな。そうしたら、自分は下がらなくていいし、自分が仕掛けなくても、(相手には)自分を蓋をすることに必死になってくれれば......といったことを楽しんでいる部分はあります。

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