サッカー日本代表にとって「狭いピッチ」は不利だったのか 佐藤寿人がアウェーで感じた利点とは? (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【上田不在を感じさせないパフォーマンス】

 ふたつのゴールを決めた小川は、この2連戦で確実に評価を高めたでしょう。インドネシア戦では先制点に関与し、中国戦でも見事に結果を出しました。

 上田綺世が不在のなかで、相当モチベーションは高かったでしょうし、危機感もあったと思います。そのなかでストライカーに求められる仕事を十分にこなしたことは、大きな自信になったでしょう。上田の不在を感じさせないパフォーマンスだったと思います。

 遠藤の存在感も際立っていました。最近は守田英正の活躍がクローズアップされていますけど、彼が不在のなかで、あらためてこのキャプテンが日本の中心であることを証明したと思います。

 相手はかなりダーティーなプレーを仕掛けてきました。だけど、ひるむことなく、それを上回るインテンシティの高さを見せつけ、次々に球際の争いを制していました。中盤の攻防で上回れたことも、日本の勝因のひとつだったと思います。

 中国でのアウェーゲームということで警戒心もありましたが、個人的には意外と穏やかだったという印象です。もちろん国歌斉唱の時のブーイングだったり、レーザーポインターによる妨害だったり、サポーターが乱入する騒動もありましたけど、そこまでの圧を感じることはありませんでした。インドネシアのほうが熱狂的でしたね。

 そもそも中国に入ってから、サッカーに触れることがほとんどありませんでした。たとえばインドネシアでは、代表選手のポスターや看板が街の至るところで見られたのですが、中国にはそれがありませんでした。試合会場のアモイがリゾート地ということもあるのかもしれないですが、「本当に代表戦が行なわれるのか」という雰囲気でした。新聞のスポーツ欄にも、ほとんどサッカーのことは書かれていませんでした。

 中国のサッカー人気が低下しているということも聞きましたが、なかなか結果を出せないことでファン離れが起きているのかもしれません。

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