サッカー日本代表と引き分けたオーストラリア代表選手は「ヤバい」と警戒したドリブラーから「多くのことを学べた」 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

「彼はオーストラリアの未来にとって、実に重要な選手だ。その才能に疑いの余地はない。ただし出番が来なくても、辛抱強く待たなければならない。彼は世界で最も大きなクラブのひとつでプレーしているから、日々、最高の選手たちから多くを学んでいることだろう。だからといって、代表で定位置が確約されているわけではないが、じきに主軸となるのは間違いない。今、彼について色々なことが語られているが、それはトッププレーヤーへの期待の表われだ」

若手が育ってきている現在のオーストラリア代表 photo by Ushijima Hisato若手が育ってきている現在のオーストラリア代表 photo by Ushijima Hisatoこの記事に関連する写真を見る イランクンダはブルンジ出身の両親が内戦を逃れた先のタンザニアはキゴマの難民キャンプで生まれ、そこから家族全員でオーストラリアにわたり、プロのフットボーラーになった。同じくバイエルンのアルフォンソ・デイヴィス(カナダ代表)や、オーストラリア代表の同僚トーマス・デンと似た出自だ。プレー映像を見ると、力強い足腰やキックの強さと精度に目を奪われた。いずれ、日本やアジアのライバルを脅かす存在になるかもしれない。

 一方、この日の日本に打撃を加えたのは、谷口彰悟のオウンゴールを誘発した右のウイングバック、ルイス・ミラーだ。ハイバーニアンに所属する24歳はそのシーンについて訊かれると、声を上げて笑いながら次のように応じた。一見とっつきにくそうにも見えるが、実はユーモアに溢れた若者のようだ。

「自分のゴールだったと主張しないとね(笑)。うん、そうするよ。危険なエリアに速いボールを入れることを心がけていて、幸運にも得点に繋がった。めっちゃハッピーだよ。この体のサイズもあって、自分はディフェンダーだと自認しているけど、攻撃参加の際にもフィジカルを活かせると思う。チームに貢献できてよかった。これをもっと続けていきたい」

 ディフェンスの際には、対峙する三笘薫に必死に食らいついた。同点のシーンでは、三笘にブロックされる形で中村敬斗の突破を許したものの、三笘自身には決定的な仕事をさせなかった。

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