史上最強のサッカー日本代表にも弱点がある 識者が選んだ森保ジャパンをより強くする選手たち (2ページ目)
【選手層の薄いポジションでテストを】
中山 淳(サッカージャーナリスト)
<この選手のプレーが見たい!>
東俊希(MF/サンフレッチェ広島)
毎熊晟矢(DF/AZ)
オナイウ阿道(FW/オセール)
現在の森保ジャパンにおいて、最も選手層の薄いポジションが左ウイングバック、もしくは4バック時の左サイドバックだ。攻撃的3バックで快進撃を続けるなか、森保一監督は左ウイングバックに三笘薫、中村敬斗といったアタッカーを起用。本職の左ウイングバックではない。
そこで、今後を見据えて試してみたいのが、現在Jリーグで優勝争いを繰り広げるサンフレッチェ広島の左ウイングバック、東俊希の抜てきだ。広島では持ち前の攻撃参加とクロス供給で存在感を示し、パスセンスも上々。
4バックの左サイドバックにも対応できるうえ、ビルドアップ時の偽サイドバックの役割も担えるのも魅力だ。それ以外にもセンターバックやサイドハーフもできるポリバレントな東は、今後代表に定着すれば有効な戦力になれるかもしれない。
右ウイングバックで言えば、3月のアジア2次予選以来、代表から遠ざかっている毎熊晟矢も招集されてしかるべき選手と言える。今夏にセレッソ大阪からAZに移籍した関係で招集を控えたと思われるが、新天地でもすぐにスタメンに定着。これまでも代表では重要な戦力として重宝されてきたが、オランダに移籍してからも成長中だ。
AZでは4バックの右サイドバックを務めているが、ウイングバックでも持ち味を発揮できることは証明済み。現在は堂安律や伊東純也が右ウイングバックで起用されるケースが増えているが、サウジアラビアやオーストラリアといったグループのライバルとの直接対決が待っている10月のアジア3次予選では、菅原由勢との兼ね合いもあるが、本職の毎熊が招集される可能性は十分にあるだろう。
上田綺世がスタメンを確保しつある1トップも、もう少し層に厚みを増しておきたいポジションのひとつだ。現在は小川航基、細谷真大らがバックアッパーとしてポジション争いを繰り広げているが、もうひとり招集してみたいのが、現在リーグ・アンのオセールでプレーするオナイウ阿道だ。
すでに2021年に代表デビューを果たしているオナイウは、同年10月のサウジアラビア戦以来、長く代表から遠ざかっている。しかしその間、リーグ・ドゥでプレーした昨シーズンはオセールのチーム内得点王に輝き、リーグ・アン昇格に大きく貢献。特に点で合わせるフィニッシュワークに磨きがかかり、今シーズンも上々のパフォーマンスを披露している。
第2節でレッドカードをもらったが、ここまで5試合に出場して1ゴールをマークするなど、調子も上向いている。上田とはタイプの異なるストライカーゆえ、戦況による使い分けも可能。アジア3次予選とその後を考えると、テストしておくべき選手と言える。
2 / 3