パリオリンピックで金も夢ではない 斉藤光毅と三戸舜介のU23日本代表オランダコンビはまさに「あうんの呼吸」 (2ページ目)
【オランダで同僚となった仲良しコンビ】
欧州で活躍する選手にとって、代表側の拘束力がない大会への参加は難しいものだ。特に予選が行なわれていた4〜5月はシーズンも大詰めで、クラブは手放してくれなかった。それだけ中心選手として活躍していた、ということでもあるが、五輪の位置づけや選手招集のあり方を日本サッカー協会も考える必要があると思わせる出来事だった。
三戸に関しては、この冬に調子を崩して、スパルタの試合で活躍できない時期もあった。慣れた日本の環境から離れたことで、オリンピックという大舞台から遠のく可能性もあった。
だが、「五輪は関係なく、もっと先のためにサッカー選手として」移籍を決断した三戸は、クラブでのプレーに専念。アルビレックス時代は左ウィングやインサイドでプレーしたが、スパルタでは右ウィングを与えられた。
しかし、これが結果的に、五輪代表でも活躍の場を広げることにつながった。パラグアイ戦ではインサイドハーフでプレーしたが、メンバー構成によっては右でプレーすることもあった。平河悠が負傷したことを考えれば、次戦以降は三戸が右ウィングで先発する可能性も十分にある。
アジア予選を経験しなかったふたりだが、6月に行なわれたアメリカ遠征ではそれぞれに存在感を見せた。アメリカとの親善試合では斎藤が「舜ちゃんが見えたので」と上げたアーリークロスを相手が手で止めてしまい、PKを獲得している。
今回のパラグアイ戦で見せた形とは違うが、お互いに近い距離感・フィーリングを持つことがうかがえる。ふたりは7月3日のメンバー発表時もLINEで連絡を取り合いながら確認し、喜び合ったと言う。同じチームで、同じような状況を乗り越えたふたりにしかわからない、何かしらのものがあるはずだ。
そしてふたりは、そろって「五輪での目標は金メダル」と言いきる。
「金メダル、獲りたいですし、獲れると思っています」(斉藤)
「金メダル、そうですね。歴代の先輩たちも、東京オリンピックのようなホームでも難しかったですよね。だから難しい戦いになるとは思うんですけど、僕は僕たちに自信がある。まずはグループリーグを突破すること、一戦一戦をしっかり戦うことが大事だと思います。オーバーエイジが入らなかった分、僕らだけの団結がある」(三戸)
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