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パリ五輪サッカーU-23日本代表メンバーを鈴木啓太が予想!「OA枠を使うなら2トップに」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

 僕は、従来の4-3-3は、五輪の本大会で採用するのか微妙な感じがします。1トップを含め、攻撃陣が強力であればいいのですが、必ずしもそうじゃない。それよりもよりオーソドックスな戦いにシフトした方が勝てるチャンスがある。僕は、3月のマリとウクライナの試合で採用した4-4-2で行くのではないかと考えています。大岩監督も世界との戦いを意識して、このシステムを採用したと思いますし、実際、4-4-2にして2トップにした方がすべきことが明確になって、世界と戦うにはその方がいいと思うんです。
 
 パリ五輪本大会のグループリーグは、パラグアイ、マリ、イスラエルと対戦します。初戦が大事なのは言うまでもありませんが、その相手であるパラグアイは、アテネ五輪でも初戦で対戦し、打ち合いになって4-3で敗れました。伝統的にフィジカルが強くて、したたかなサッカーをするチームで、今回の予選ではブラジルを破っていますからね。日本にボールを持たせておいて、ショートカウンターで狙ってくるような狡猾さがあります。守備も最後の最後はやらせない強さがあるので、日本はうまさだけではなく、ハードワークできる選手が勝つためには必要になると思います。

 マリは選手の体格が大きいし、運動能力が抜群に高い。3月の試合ではショートカウンターでやられていたので、ボールを保持して攻めることに固執しなくてもいいでしょう。
 
 僕は、日本が国際舞台で勝つためにはリアクションサッカーが最強かなと思っているので、バルセロナやマンチェスター・シティのスタイルより、今季のリバプールに近い戦術で戦えばいいのではないかと思っています。それに日本は過去、ロンドン五輪の時、リアクションでいいところまでいったじゃないですか(4位)。カタールW杯もそうですよね。短期決戦では割り切った戦いをした方が、結果が出ると僕は思っています。

■Profile
鈴木啓太(すずきけいた)
1981年7月8日生まれ。2000年に浦和レッズに加入し、2002年からはアテネ五輪を目指すU-23日本代表に召集される。最終予選ではキャプテンを務めたが、本大会には選出されなかった。2006年からはA代表に召集され、オシムジャパンの中盤を支え続けた。浦和レッズ加入から15年間浦和一筋を貫き、惜しまれつつも2015年に現役を引退。

著者プロフィール

  • 佐藤 俊

    佐藤 俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。

【画像】サッカー日本代表 2026年のメンバーはこうなる! 識者が予想

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