パリ五輪サッカーU-23日本代表メンバーを鈴木啓太が予想!「OA枠を使うなら2トップに」
20年前のアテネ五輪の際、最終予選でチームを牽引していたキャプテンの鈴木啓太。直前で18名のメンバーから漏れてしまうという憂き目にあった。そんな鈴木だからこそ思う日本代表のベストメンバーは? そしてシステムは?
現役引退後、実業家に転身した鈴木啓太 photo by AFLO SPORTこの記事に関連する写真を見る
パリ五輪の18名選考の基本ですが、僕が監督だったら基本的にオーバーエイジ(OA)枠は使用しないです。五輪の目的は、勝つことを最低限にしながらも最終的にはW杯で活躍できる選手を育成することが大事だと思っているからです。そのためにはその世代の選手ができるだけ五輪という舞台で国際経験を踏んでほしい。パリ五輪世代は力のある選手が多く、彼らだけでも十分、メダルを獲れる可能性があると思います。
僕が選ぶ18名ですが、GKは、小久保玲央ブライアンと鈴木彩艶。個人的には小久保の安定感のある守備が好きで、DF陣はそういう選手がいてくれると安心して守れると思うんです。彩艶は、アジアカップでもうひとつでしたが、能力が高い。このふたりがいればGKにOA枠を採用しなくてもいいでしょう。
DF陣は、CBは西尾隆矢と木村誠二が軸になり、川崎で試合に出場できていない高井幸大はバックアップ。右SBは関根大輝で、サイズが大きく空中戦に強いSBは守備面で活きてくるでしょう。左SBは大畑歩夢で、控えに左右どちらもできる内野貴史。
MFはキャプテンの藤田譲瑠チマが軸。人に強いし、前に持っていけるし、パスも出せるし、視野も広い。ゲームメイクで違いを作れる山本理仁、粘り強い守備ができる田中聡はタイプ的に僕は好きです。フィジカルが強く、攻撃力が高い松木玖生、サイドで運動量が豊富で自分でも決められるハードワーカーの平河悠太。攻撃で僕が期待している佐藤恵充と斉藤光毅。
FWは、調子を上げている藤尾翔太、エースとして期待されている細谷真大、ポストが出来て1トップでの起用も可能な内野航太郎の3人。荒木遼太郎も迷ったけど、僕は4-3-3よりも4-4-2で行きたいので、FWは2トップを組める選手を優先しました。
僕は、このメンバーでも十分戦えるし、メダル獲得の可能性があると思います。ただ、もうワンランク、チーム力を押し上げて勝つチーム作りをするなら前にスピードがある選手が必要になってきます。そこでOA枠を使用するなら前田大然、上田綺世の2トップにして、センターバックには板倉滉を入れます。
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著者プロフィール
佐藤 俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。