ミャンマー戦の3バックは攻撃力低下のデータ 森保一監督はこのシステムを今後どのような試合で使うつもりなのか (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi

【規則性のないプレーぶり】

 むしろ今回も顕著に現れたのは、ピッチに立つ選手次第で機能性が大きく変わるという点だった。右ウイングバックの菅原と相馬の比較はもちろんだが、旗手、鎌田、堂安らが見せた流動性は、各選手の自主判断によるところが大きい不規則なプレーぶりだった。それは、前半途中から最終ラインから前に出てプレーするようになった伊藤にも言えること。

 そこにチームとしての規則性は、残念ながら見て取れなかった。

 果たして、森保監督は今回採用した3バックシステムを、今後どのような試合、あるいは戦況で使うつもりなのか。アジアカップ以降、基本布陣の4-2-3-1が機能不全に陥っているなか、そちらの再構築をしないまま9月からのW杯アジア最終予選を迎えるのか。

 おそらく主力メンバーがスタメンを飾るであろう、6月11日のシリア戦も要注目だ。

プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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