谷口彰悟が感じた残念な現実 カタール2年目は「細部へのこだわりが最後に大きな差に」

  • text by Harada Daisuke

【連載】
谷口彰悟「30歳を過ぎた僕が今、伝えたいこと」<第17回>

◆【連載・谷口彰悟】第1回から読む>>
◆第16回>>「アジアカップを振り返らずに、前には進めない」

 谷口彰悟が所属したアル・ラーヤンでのカタール2年目は、8月中旬にシーズン開幕を迎え、4月末にリーグ戦の全日程を終えた。移籍初年度はシーズンの途中から参戦したが、2年目は新チームの立ち上げから加わり、かつてない刺激のなかで過ごしてきた。

 プロサッカー選手のキャリアをスタートさせた川崎フロンターレを離れ、初めて経験した海外クラブでの生活。外国人選手として結果を求められ、すっかり「海外組」としても板についてきた谷口の今の心境を語ってもらった。

   ※   ※   ※   ※   ※

谷口彰悟にカタール2年目の日々を語ってもらった photo by AFLO谷口彰悟にカタール2年目の日々を語ってもらった photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る カタール・スターズリーグは、4月末に今季のリーグ戦全日程を終えた。在籍するアル・ラーヤンSCは優勝したアル・サッドSCに勝ち点2及ばず、2位でのフィニッシュとなった。

 リーグ最終節では、そのアル・サッドSCと対戦した。彼らは前節ですでに優勝を決めていたため、試合に臨むモチベーションは決して高いとは言えなかった。

 ただ、そうした状況は僕らにとっては関係なく、自分たちの目標に集中して戦った結果、4-0で勝ちきり2位をキープした。そして、目標のひとつであった来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場権を勝ち獲った。

 川崎フロンターレでプレーしていた時もACLにかける思いは強かったが、カタールでプレーするようになってからは、なおさらACLに対するクラブ、ファン・サポーターの熱量を実感する。

 中東のクラブでは、世界的に名の知られた選手も数多くプレーしているように、各国に強豪と呼ばれるクラブがあり、競争意識も高い。また各国には、僕が知り得ないライバル意識もある。それだけに国を代表して戦えるACLへの出場は、クラブの指標であり、誇りにもなっている。

 アル・ラーヤンは昨季12チーム中9位に終わって残留争いを強いられただけに、2位という成績は成長と捉えることもできるだろう。しかしながら、今季を戦うチームは監督も代わったように、昨季とはまるで別のチームだと感じるほど、選手も大幅に入れ替わった。

1 / 3

プロフィール

  • 原田大輔

    原田大輔 (はらだ・だいすけ)

    スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る