毎熊晟矢が100%信頼するレジェンドの存在「香川真司さんがピッチにいなかったら、代表にはなれていなかった」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【一番の目標は、やっぱりワールドカップ】

 一方で、自身のパフォーマンスには納得できていないという。

「個人としては苦しい時期なのかなって感じています。アジアカップに出たことで、周りからの期待だったり、見られ方っていうのも変わってきていますし、そのなかで責任も感じながらプレーしています。

 今年は副キャプテンとして、よりチームを引っ張っていかないといけない立場にもなりました。メンタル的な部分を今まで以上に強く持たないといけないですし、チームのやり方としても、昨年までとは与えられた役割が変わって、自分らしさを少し出しにくい状況にもなっています。いろんな面で考えることが多いので、今は心に少しモヤモヤしたものを抱えながらプレーしている感じですね」

 それでも毎熊は、これまでも幾多の逆境に立ち向かってきた。試合に出られなかった高校時代、サイドバックへの転向、C大阪での1年目もそうだった。今の苦しい状況もこれまでと同じように、飄々(ひょうひょう)と乗り越えていくはずだ。

 そしてその先には、大きな夢がある。

「一番の目標は、やっぱりワールドカップに出ること。そのためには代表に選ばれ続けて、試合でアピールするしかない。代表に選ばれ続けるには、当然クラブでのパフォーマンスが重要になってきます。チームを勝利に導けるようなパフォーマンスを続けて、ワールドカップ出場という目標を達成したいですね」

<了>


【profile】
毎熊晟矢(まいくま・せいや)
1997年10月16日生まれ、長崎県出身。大分で生まれて小学校から長崎で育つ。東福岡高校時代はFWとしてインターハイと高校選手権で二冠を達成し、卒業後は桃山学院大学に進学。2020年にV・ファーレン長崎に加入後、サイドバックへコンバートする。2022年にセレッソ大阪に完全移籍し、2023年9月にはベルギー戦で日本代表デビューを果たす。ポジション=DF。身長179cm、体重69kg。

プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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