毎熊晟矢が100%信頼するレジェンドの存在「香川真司さんがピッチにいなかったら、代表にはなれていなかった」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【今の自分は日本代表がすべて。すごく大切な場所】

 毎熊はこの大会で、序列を高めた選手のひとりであることは間違いないだろう。しかし彼自身は、そうはとらえていない。

「バーレーン戦までは周りの選手との連係もすごくよかったと思いますし、守備でもいい部分を出せて、すごく手応えを感じていました。

 だけど、最後のイラン戦は相手の強度だったり、圧力がまた一段階上がったなかで、守備で負けてしまう部分もあったり、そこから前に出ていくこともなかなかできなかった。ひとつレベルが上がったなかでのパフォーマンスに関しては、ぜんぜん満足できないものでした」

 手応えを得た一方で、課題を突きつけられる大会ともなったのだ。

 日本代表における毎熊の立場が盤石ではないことは、アジアカップ後の最初の試合となった3月のワールドカップアジア2次予選・北朝鮮戦でも浮かび上がった。招集されながらもベンチ外の屈辱を味わったのだ。

「まだまだ自分に足りていない部分を森保さんには伝えてもらいましたし、そこをもっと上げていかないと、代表に選ばれ続けたり、試合に出ることはできないんだなっていうのは、この間の活動であらためて思い知らされました。ベンチ外は自分のなかでは納得しているので、その課題に向き合って取り組んでいくだけです」

 毎熊の意識は、日本代表に選ばれたことで、大きく変わりつつある。

「今の自分にとっては『代表がすべて』というぐらい、すごく大切な場所です。そのなかに入ったからこそ得られる刺激だったり、成長できるという感覚もあります。なにより、あの高いレベルのなかでやれることが、とにかく楽しいですね」

 もちろん代表の活動の前には、所属クラブでの日常が重要となってくる。今季のC大阪は開幕から8戦無敗で一時は首位に立つなど、好スタートを切った。毎熊は次のように分析する。

「4-3-3のフォーメーションで、新しいビルドアップの形に取り組むなかで、より考えながらプレーする選手は増えていますし、新しく入った選手もいいアクセントを加えてくれています。もともと高い技術を持つ選手が多いなかで、そういった選手たちがチームのためにハードワークを欠かさずやってくれるので、今はいい方向に向かっているのかなと思います」

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