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U-23日本代表、五輪予選招集メンバーを占う マリ戦、ウクライナ戦で株を上げたのは? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【株を上げた平河悠】

 爪痕を残したのは藤尾に見えた。184センチの上背も魅力だが、目についたのはボールを収める力で、その点では細谷より上だった。いわゆるポストプレーヤーはA代表を含めて人材不足。貴重な存在に見える。そのなかにドリブルを加えることもできる。マリ戦の後半は右ウイングを務めたほどだ。ポストプレーが得意なストライカー兼ウイング。多機能型には先述のようにプラスアルファの加点もある。藤尾はJリーグでの動向を注視したい選手になる。

 町田からもうひとり選出された平河悠は、先発して後半19分まで出場したマリ戦では左ウイング、後半の頭から出場したウクライナ戦では右ウイングとしてプレー。こちらも多機能性を披露した。マリ戦では先制弾もマークしている。

 これまで出場した試合は、昨年9月に行なわれたパレスチナ戦のみ。ケガの影響もあったのかもしれないが、これまで大岩監督のお眼鏡にかなっていたとは言えなかった。にもかかわらず今回、2試合合計の出場時間は招集された26人のなかで最長だった。Jリーグでの高いパフォーマンスを見て、あらためてテストしたくなったのだろう。

 右利きなのか左利きなのかわからないぐらい、ドリブルの際に両足を巧みに操作する。つまり進行方向もわかりにくく、右利きが苦手とする右サイドの縦突破も涼しい顔でやってのける。株を上げたと見ていい。

 同じく両サイドをこなす佐藤恵允(ブレーメン)が上々のプレーを見せたのに対し、出場時間の短かった小見は、キレのある動きを見せものの、ウインガーらしい選手には見えなかった。功を焦ったのか、ポジション取りが内側すぎて、奪われた際のリスクを考えると、やや強引なプレーに映った。

 ウイングには、今回招集外となった海外組のふたり、三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)、小田裕太郎(ハーツ)も控えている。マリ戦、ウクライナ戦を経て序列はどう変化したか。ウイング大国ニッポンの看板がU-23でも維持されることを願いたい。

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