日本代表とライバル韓国代表の強みと弱みを徹底比較 2位通過でも優勝候補1、2番手 (2ページ目)
【大きいソン・フンミンの存在】
実はヨルダンと戦った2戦目も怪しかった。前日、日本はイラクに敗れていた。日本のグループ2位は決定的な状況になっていた。韓国がもしヨルダンに勝てば、3戦目の相手がグループ内で最弱のマレーシアであることを考えると、1位通過の可能性は濃厚となる。日本との対戦を避けるためには、勝つわけにはいかない。そんな思惑は、後半のロスタイムで2-2に追いつく試合展開と深い関係にあるように見えた。
いずれにせよこの結果、日韓両国が直接対決する可能性は2月10日(現地時間)ルサイルで行なわれる決勝戦以外になくなった。お互いそこまで辿り着けるのか。
英国ブックメーカー各社は、1番人気に日本、2番人気に韓国を推す。決勝対決の可能性は高いと踏んでいる。
日本と韓国の1番人気、2番人気の予想は、開幕前と変化なしだ。だが、たとえば最大手のひとつウィリアムヒル社は、当初3.25倍対6倍だった両国の関係を、グループリーグを経たいま、2.62倍対4.5倍に変更している。より拮抗した関係にリセットした。筆者の印象も同様。決勝で戦えばいい勝負になるのではないかと見る。
布陣と選手の適性がマッチしたサッカー。森保ジャパンとは対照的なチーム。韓国をザックリと言えばそうなる。左ウイングに起用された南野拓実が居心地悪そうにプレーしたり、1トップ下に起用された久保建英が、左右に流れたり、大きく前後に移動するようなことがない。4-2-3-1がピッチ上にくっきりと表われる、均整のとれたサッカーだ。
ポジション移動はある。エースのソン・フンミンは通常、大型の1トップ、チョ・ギュソン(ミッテラン)あるいはオ・ヒョンギュ(セルティック)の下(脇)でプレーするが、戦術的交代で左ウイングに移動するパターンが目立つ。3戦目のマレーシア戦ではトップ下で先発したが、後半、戦術的交代とともに左ウイングに移動した。
先述の南野やかつての香川真司がそうであったように、無理に移動させられた感じではない。ソン・フンミンは本職の左ウイングのように、つまり三笘薫然とプレーする。1トップ脇でプレーする時とは、全く別種のテイストを発揮する。中央でも左サイドでも大黒柱になれている。つまり戦術的交代を機に攻撃のカラーは大きく変わる。韓国のいちばんの強みだと見る。
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