森保一監督に聞いたカタールW杯・勝利の分岐点「浅野拓磨を起用した判断はどこにあったの?」 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

森保 あと考えていたのは、勝つとか負けるとかだけではなくて、負けても何かが残るような戦いをしないといけないということ。よりマッチアップの機会を増やすことで、日本人の現在地を知れる試合だなと思っていました。

 それはドローの時に言っているんですよ。「最高のグループに入った」って。もちろん、勝つことは前提にありますけど、本物と戦うからこそ、自分たちの立ち位置を知ることができる。日本も世界一を目指している国であるのなら、世界一になったことのある国と本気で戦う経験が必要なんですよ。

 その経験を積み上げながら、またチャレンジして、成果と課題を整理して、また先に進んでいく。もちろん勝つことを目標としていますけど、勝っても負けても何かが残る試合にしたかった。 メンタル的には、そっちのほうが強かったかもしれないですね。

── 試合中に勝利以外のことも考えていた、ということですか。

森保 いや、ドイツ戦に限らず、ふだんからそういう考えを持っている、ということです。親善試合でもそうですね。だから、基本的に親善試合も選択肢のなかで一番強いところとやりたいとずっとお願いしています。

 一番強いところとやるからこそ、自分たちの成果と課題がわかる。ワールドカップもその延長なんですよ。私のなかではワールドカップだけが特別という感覚はなくて、勝つために最善の準備をする。その繰り返しですね。

憲剛 ワールドカップじゃないと、本気のドイツやスペインとはできないですからね。あの舞台だからこそ引き出されるものがあるし、日本の現在地を知ることができる。そこで勝ったからこそ、冒頭でも話しましたけど、みんなの目線が高くなった。これが親善試合では、そうはならないと思うんです。いろんな言い訳ができてしまうので。

 でも、ワールドカップでは言い訳無用じゃないですか。そこで勝ったことが事実として残って、その国の次の4年の流れを決める。ワールドカップはそういう大会だと僕は思っています。

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