ケガ人率23%「代表招集のリスク」について考える 菅原・上田・伊東・堂安...それぞれの意見 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【菅原由勢の意見と対照的だったのは上田綺世】

 一方で、慎重派もいる。

 12日の試合で菅原と対戦した上田綺世(フェイエノールト)の場合。今季サークル・ブルージュからフェイエノールトに移籍し、直後の9月に負傷。その後はポジション奪取に苦しみ、今もベンチスタートが続く。それだけに、菅原とは真逆のことを言う。「ワールドカップ予選への意気込みを」という質問に対して、こう答えている。

「まずは準備ですね。僕としてはもうケガをしたくないし、チームでもこういう状況(ベンチスタート)なので、ケガが僕にとっては一番足を引っ張ること。そのうえでプレーし続けなきゃいけないけど、プレーのクオリティも上げていかないと。代表のなかではポジション争いとか、チームとして勝たないといけない試合になってくる。そういうところで貢献できたら」

 また、ケガ対策としてはこう語る。

「中2日での移動による疲労や時差ボケ対策、コンディションについては個人で最善を尽くす。ミャンマーやシリアがラフに戦ってくるチームだったら、警戒しておかないといけない。そういう場面を避けながら戦うことも必要かもしれない。個人の判断でマネジメントしないと。ケガなく勝って終わることが大事」

 代表戦では何よりもケガをしないことに気を遣っていることが伝わる。結果的にミャンマー戦では3ゴール、シリア戦では2ゴール。結果とケガ回避のマインドは関係がないようだ。

 ケガについて達観しているのは、伊東純也(スタッド・ランス)だろうか。

 代表招集の直前に出場した11日のパリ・サンジェルマン戦後、「疲れを口にしている選手が増えているが」という問いに対して、こう答えている。

「うーん、疲れてる......」と一旦考えたのち、「移動が長いんでね、やっぱ、きついのはきついと思います。まあでも、しょうがないとは思いますけど。好んでヨーロッパに来てるし、そこは受け入れてやるしかないなと。でも俺は毎回、代表に行きたいと思ってるんで、別にそこまで苦じゃないっていうか、移動はきついけど全然大丈夫って感じです」

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