「ポスト長友佑都」がU-22日本代表に帰還 バングーナガンデ佳史扶が目標を語る (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

「最初のケガの時の1カ月のリハビリは、A代表でいい刺激をもらえたので焦りというか、早くやりたい気持ちが出すぎた。正直、体の準備ができていないのに、明らかに気持ちが先行して無理をしてしまったので、(2回目は)なるべくしてなったケガだったなと思います」

 だが、「A代表というすごいところに呼んでもらえて、たくさんの課題が見つかった。そこへ冷静に目を向けて、復帰した時にはそこを克服できるようにと考えて、自分の体と向き合えた(2度目の復帰までの)3カ月だった」と語るバングーナガンデは、「復帰した今は、本当にいい状態を保てているので、あの3カ月は無駄ではなかったと思います」と続け、笑顔をのぞかせる。

 およそ1年ぶりのU-22代表復帰となった今回のアメリカ遠征では、1戦目のメキシコ戦(4○1)では途中出場で後半のみプレー。2戦目のアメリカ戦(1●4)では先発出場し、前半のみプレーした。

 メキシコ戦は、チームメイトから逐一情報を収集していた成果か、「チームとして作り上げてきている(戦い方の)ベースとなる部分は、みんなと練習からすり合わせをしてうまくできました」。

 しかし、途中交代でピッチに立った後半開始の時点で2-0とリードしていたこともあり、「個人的には攻撃のところ(でのよさ)があまり出せなかった」とバングーナガンデ。「アメリカ戦では、そこによりこだわってやっていきたい」と話していたものの、アメリカ戦もまた、「判断を誤って(ロングボールで背後をとられて)2失点目に直結するミスをしてしまった」と、反省の弁が口を衝いて出る結果となった。

 バングーナガンデが苦々しげに続ける。

「A代表でも、U-22代表でも、選ばれて戦う以上は自分の経験より、結果が絶対条件。久々にこのチームの一員としてサッカーをやって、結果を出さなきゃいけないのに、2試合目で勝てなかったのが今は一番悔しいです」

 とはいえ、まずは敗戦の無念を口にはしたものの、久しぶりの国際試合にもかかわらず、「いつもやっている環境とは(プレーの)強度が違うとか、そういうことはなく、感覚的には違和感なく入れた」と、手応えを感じた様子もうかがわせた。

 A代表初選出、そして長期戦線離脱と、浮き沈みの激しいシーズンを送ってきたバングーナガンデにとっては、この遠征に参加できたこと自体が一歩前進と言ってもいいのかもしれない。

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