谷口彰悟、カタール移籍は人生初の「わがまま」。ベースは今も川崎フロンターレ
【新連載】
谷口彰悟「30歳を過ぎた僕が今、伝えたいこと」<第4回>
◆【連載・谷口彰悟】第1回から読む>>
◆第3回>>4年ぶりの招集...しかし。日本代表でベンチ続きの日々に何を考えていたか
日本代表のフィールドプレーヤーとして最年長31歳139日でワールカップデビューを果たした谷口彰悟。出場したスペイン戦とクロアチア戦では相手FWを完璧に抑え込み、あらためてディフェンス能力の高さを世界に知らしめた。
そのわずか約1カ月後、発表されたアル・ラーヤンSC(カタール)への移籍。谷口はどんな心境でワールドカップに臨んでいたのだろうか。
新生・森保ジャパンにも招集され、6月15日のエルサルバドル戦と6月20日のペルー戦ではフル出場を果たした。ディフェンダーとして成長を続ける谷口が今の心境を語る。
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6月の代表シリーズに招集された谷口彰悟この記事に関連する写真を見る 31歳にして海外でプレーすることを決断したのは、何もカタール・ワールドカップに出場したことがきっかけではなかった。チャンスさえあれば、ワールドカップが終わってから移籍することは大会に臨む前から決めていた。
実は数年前から、決して多くはなかったけど、海外のクラブからのオファーはあった。でもその時は、ワールドカップのピッチに立つことにすべてをかけていたため、その時期が終わるまで移籍することはないと、先方にも当時所属していた川崎フロンターレにも伝えていた。
また個人的には、自分自身が海外でプレーしたいからと言って、それを宣言してしまった結果、チームに迷惑をかけるような行動はしたくなかった。
だから、具体的な移籍先がある、ないにかかわらず、僕は2022シーズンをもって海外のクラブへ移籍することは決めていた。
そのなかで熱心に、また熱意を持って声をかけてくれたのが、カタールのアル・ラーヤンSCだった。
それに、ゼロからというか、イチから新しい自分の可能性を知りたいと思ってもいた。それはカタール・ワールドカップでも感じたことだけど、あらためて「サッカーには正解がない」ということを知ったからだった。
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著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。