三笘薫&伊東純也の速攻が炸裂も、ボール支配率は42%...日本代表の「主導権を握って勝利を目指す」は本物か (4ページ目)
【ドイツ相手に主導権を握れる?】
もっとも、ペルー戦で成功したこの戦い方を今後も継続するかと言えば、話は別だ。第2次森保ジャパンでは、カタールW杯で感じた限界を超えるために、自分たちが主導権を握って勝利するためのサッカーを目指しているからだ。それは、続投会見以降、3月の代表ウィークの時も森保監督が口にしている目標でもある。
諸々のアドバンテージのなかで戦った同格ペルーに対し、6割近くもボールを握られたことを考えると、仮にペルーのホームで同じ戦い方を選択した場合、もっと自陣に押し込まれる時間が長くなるのは火を見るより明らかだ。失点の確率はより高くなるはずで、勝敗の行方もわからない。
注目は、9月に予定されるアウェーでのドイツ戦だ。ハンジ・フリック監督の進退問題に揺れるほど絶不調に陥っているドイツではあるが、それでもホームでのペルー戦とはすべての条件が異なるなかで、格上に挑むことを強いられる。
果たして、日本は今回と同じ戦い方で目先の勝利を目指すのか。それとも、中長期的な目標を視野に、強化の一環として真っ向勝負で挑むのか。おそらくその試合の戦い方を見れば、主導権を握って勝利を目指すという第2次森保ジャパンの目標が、本物かどうかが垣間見えるはずだ。
著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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