三笘薫&伊東純也の速攻が炸裂も、ボール支配率は42%...日本代表の「主導権を握って勝利を目指す」は本物か (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

【三笘薫と伊東純也を生かす攻撃】

 相手にボールを握られながら、効率よく4ゴールを奪った日本の攻撃で目立っていたのが、右ウイングの伊東と左の三笘薫のスピードと技術を生かしたカウンター攻撃だった。

 たとえば前半21分、自陣で伊藤がヘッドでクリアしたボールを回収した旗手怜央が、遠藤とのパス交換で相手のプレスをはがし、素早く鎌田へ縦パスを配球。受けた鎌田が左の三笘に展開すると、フリーでパスを受けた三笘がクロスを供給し、相手ボックス内の右で菅原由勢がシュートを放つシーンがあった。

 素早いカウンターアタックから生まれたこの決定機は、菅原のシュートが相手にブロックされたことでゴールとはならなかったが、以降、日本は何度もカウンターからゴールチャンスを生み出している。

 37分に生まれた2点目も、そのひとつだ。GK中村から始まったビルドアップを板倉滉、菅原と展開。相手に寄せられた菅原が前方の伊東と抜群のワンツーで抜け出すと、中央でフリーになっていた鎌田につなぎ、それを鎌田が絶妙なコントロールで収めて左の三笘に配球し、三笘がフィニッシュ。ビルドアップ開始から、わずか20秒の出来事だった。

 また、後半63分の伊東のゴールシーンも、遠藤、鎌田、三笘と素早くつないだあとのカウンターによるフィニッシュ。伊藤のミドルシュートによる先制ゴールはパスをつないでから決めた数少ない遅攻からの一撃だったが、この試合のほとんどのチャンスは、ボールを奪ってから縦に速く攻めるかたちから生まれている。

 日本の攻撃の武器となっている伊東、三笘はもちろん、その中継役として高いクオリティを披露した鎌田の仕事ぶりも、同レベルの賞賛に値した。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る