トルシエがカタールW杯を総括。「日本の立ち位置は世界のトップ30か、せいぜいトップ20。それが現時点での真実だ」 (4ページ目)

  • 田村修一●取材・文 text by Tamura Shuichi
  • photo by JMPA

"ひとつの試合ではすべてが可能"という自信を小国に植えつけたことに、カタールW杯の最大の意義があったとトルシエは結論づける。

「ベトナムのような小国でも、すべてが可能だから躊躇う必要はないという自信が持てる。積極的にプレーすべきだし、プレーのイニシアチブを握るべきで、支配されてはいけないと。支配されれば負ける。常にイニシアチブを握ることができるし、勝てると信じることだ。

 それこそが考慮すべきことで、カタールW杯の分析を、サッカーはこんなふうに進化していると、緻密に分析することではない。もちろん進化はあり、それはVARの導入や5人交代制、監督のコーチングによってもたらされ、私たちは(それを)大会で目の当たりにしたのではあるが......」

(文中敬称略/おわり)

フィリップ・トルシエ
1955年3月21日生まれ。フランス出身。28歳で指導者に転身。フランス下部リーグのクラブなどで監督を務めたあと、アフリカ各国の代表チームで手腕を発揮。1998年フランスW杯では南アフリカ代表の監督を務める。その後、日本代表監督に就任。年代別代表チームも指揮して、U-20代表では1999年ワールドユース準優勝へ、U-23代表では2000年シドニー五輪ベスト8へと導く。その後、2002年日韓W杯では日本にW杯初勝利、初の決勝トーナメント進出という快挙をもたらした。

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