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風間八宏がカタールW杯で改めて感じたサッカー日本代表の課題。「攻撃で相手を上回れないと、決勝トーナメントは難しい」 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Sano Miki

【攻撃で相手を上回れないと、決勝トーナメントは難しい】

 では、日本がラウンド16のクロアチア戦に勝てず、ベスト8に届かなかった原因を、風間氏はどのように分析しているのだろうか。

「決勝トーナメントからは違った戦いになるので、守るだけでは難しいということが露呈してしまいました。あの試合を、クロアチアと互角に戦えたと見るのか、決勝トーナメントを勝ち上がる術を熟知している相手が慎重に戦ったと見るのかで、日本の評価も変わってくると思います。

 特に決勝トーナメントからは優勝するまでに4連勝しなければいけないので、対戦相手によって自分たちが姿を変え、違った戦い方ができるようにならないと、なかなかベスト8以上に勝ち進むのは難しいでしょう。ベスト4に残ったモロッコも、準決勝のフランス戦では自分たちから攻撃を仕掛けられるチームであることを証明しました。

 要するに、攻撃で相手を上回れるだけの力がないと、一発勝負の決勝トーナメントで勝つのは難しいことが、改めてわかった大会でした。これは以前から言われていますが、日本がもっと上を目指すには、勝ちたいという精神論ではなく、勝つための武器をしっかりと持っていなければ難しいということだと思います」

 風間氏が指摘するように、勝つためにはどんな相手に対してもゴールを奪うための攻撃能力を持つ必要がある。それは、12年前の南アフリカW杯ベスト16のあとにも議論になったはずだが、再び日本代表の時計はその時代に戻ってしまったのかもしれない。

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