風間八宏がカタールW杯で改めて感じたサッカー日本代表の課題。「攻撃で相手を上回れないと、決勝トーナメントは難しい」

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Sano Miki

風間八宏のサッカー深堀りSTYLE

カタールW杯総括 日本代表編

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独自の技術論で、サッカー界に大きな影響を与えている風間八宏氏に、カタールW杯の総括をしてもらった。まずはベスト16という成績だった日本代表について。評価できる部分がありながら、課題も改めて見つかった大会だったという。

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【全員が犠牲心を持って戦えた】

 森保一監督の続投が決まったサッカー日本代表。2023年を迎え、森保ジャパンは再び次なる目標に向かって歩みを進めることとなったわけだが、その向かうべき道を定めるためにも、カタールW杯をしっかりと検証しておく必要がある。

 独自の視点を持つ風間八宏氏の目には、果たしてカタールW杯における日本代表の戦いぶりはどのように映ったのか。改めて振り返ってもらった。

「まず、日本の強みを最大限に表現できていたと感じました。それは何かと言えば、チームを最優先に考えて、全員が犠牲心を持って戦えたことです。

 あそこまでチームがひとつの集団になれたのは本当にすごいことで、監督も含めて、外国のチームではなかなかできないものを見せてくれた。それが、難しいグループを首位で通過するという結果につながったと思います」

 開口一番、日本ならではの団結力を最大限に評価した風間氏。続いて、今大会で目立った活躍を見せた選手と、そうでなかった選手を挙げてもらった。

「今大会の日本で特筆すべき活躍を見せたのは、GK権田修一を中心とするディフェンス陣でした。特に権田は、あれだけピンチが続いたなか、つねに落ち着いてプレーできていました。もちろんドイツ戦、スペイン戦で一方的に攻められるシーンが多かったので目立った部分もありますが、ディフェンス陣との連携もよかったと思います。

 逆に、本来の力を発揮できなかったのが前線の選手でした。当然ですが、今大会の日本はボールを持たない時間が長かったので、ボールを持った時に力を発揮するタイプの選手にとっては、活躍できる状況ではなかったと思います」

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