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堂安律「日本がベスト8に進むには『俺の力が必要だ』と思っている」。代表で「絶対的な存在になる」ために足りない武器など語った (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 思えば、ガンバ大阪でプレーしていた時代の僕は、どちらかというとスルーパスを得意としていたのに、海外で、個人の結果を求められる環境に身を置いてからは、よりシュートに意識が傾くようになったというか。おかげで、シュート技術は磨かれましたけど、この先、自分のキャリアアップを考えるなら、どう考えてもシュートだけでは勝負していけない。だからこそ、プラスアルファが絶対に必要だと思っています。

 実際、今の僕はボールを持ってカットインはできても、その後、自分でシュートを打つか、サイドチェンジしか選択肢がないですしね。そこに、スルーパスという武器が加わったら......それこそ、準々決勝のアルゼンチンvsオランダで、メッシが出した1点目のスルーパスのようなボールが出せるようになったら、きっとプレーの幅は広がるし、日本代表でも絶対的な存在になれる。

 今所属しているフライブルク(ドイツ)は、PSV(オランダ)のように個人が自分の結果に強く執着している"エゴの塊"のようなチームではなく(笑)、協調性のあるチームだからこそ、そこを磨くには格好のチームだと思っています」

 そして、もうひとつ。「カタール大会までの過ごし方と同じ4年間になってはいけない」と堂安は言う。

「現実的に考えて、24歳から28歳の4年間は、サッカー選手としての自分を完成させていく時間になると思うんです。そこではきっと、20代前半のような『伸びたな!』と驚かれるほどの成長はできないと思うからこそ、地味だけど、決して見逃してはいけない、日々コツコツと積み上げていくようなトレーニングが必要になる。

 それによって頭の判断スピードを上げて、一歩早く足を出せるとか、ひとつ先の判断ができるようにならなければいけないとも思います。イメージとしては韓国代表のソン・フンミン選手。彼は10代の終わりから20代前半にかけて、ハンブルガーSVやレバークーゼンなど、ドイツで過ごすなかで技術を伸ばし、トッテナムに移籍した23歳以降の時間で戦術理解度とか、賢さ、判断力の速さを身につけて、昨シーズンはプレミアリーグ得点王に輝いた。

 ただし、それと似たキャリアを目指すなら、間違いなくここまでの4年より確実に成長のスピードアップが求められる。であればこそ、これから先の毎日は、時間も、シュート1本とっても、絶対に無駄にできないと思っています。年齢的なことを考えても、これまでと同じ4年の過ごし方では、後退してしまうはずだから」

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