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「柴崎を使ってほしかった」「守田と田中の能力ならもっとやれることはあった」稲本潤一の目に映った日本代表ボランチの出来 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by JFA/AFLO

「遠藤選手に関しては、大会を通じてすごくパフォーマンスはよかったですし、自分の特長を出せていたと思います。特にディフェンスの部分に関しては、ドイツでやっているふだん通りのプレーができたんじゃないでしょうか。

 逆に守田選手と田中選手は、最近のヨーロッパでのプレーをしっかりと観ているわけではないですけど、フロンターレの時やアジア予選の時はもっと前にパスを当てていたし、間、間でボールを受けて、そこでさばいたり、ターンをして前を向くというイメージだったんですが、そういうプレーはあまり見られませんでした。

 ふたりとも初めてのワールドカップなので、これまでとは違うプレッシャーがあったと思いますし、戦術の問題もあったと思います。ただ、ふたりの能力を考えれば、特に攻撃の部分で期待が大きかったので、もっとやれることはあったのかなと感じました」

── 守備的な戦略のなかで、ふたりの持ち味が埋没してしまった印象です。

「たしかに難しかったと思いますよ。ドイツとスペインに勝った以外の戦い方がなかったわけですから。コスタリカ戦が象徴的でしたよね。そこで違う引き出しがあれば、彼らのパフォーマンスも違ったはず。その引き出しが日本にはなくて、クロアチアにはあった。その差はすごく大きいのかなと感じます」

── たとえばボランチの意識や動きで、流れを変えられることはできるのでしょうか。

「もちろん攻撃の意識が高ければ、縦につけるパスも増えるだろうし、相手の嫌なところに入ったり、ディフェンスラインと中盤のラインの間でボールを受ける機会も増えるはず。ボランチだけではなく中盤の選手も含め、彼らがより前を向いて、前にパスが出せるかどうかというのは、意識次第で変わってきますし、改善はできる部分だと思います。

 ただ、彼らだけではなく、周りの意識も変わらないと、それは難しい。チームとしてそういう意識を持つことが必要だったと思います」

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