「柴崎を使ってほしかった」「守田と田中の能力ならもっとやれることはあった」稲本潤一の目に映った日本代表ボランチの出来 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by JFA/AFLO

「僕なりのいち意見にすぎないですが、いろんな戦い方ができるチームではなかった、ということですね。ドイツとスペインに勝った戦い方をクロアチアの時にもやっていたと思うんですけど、前半のうちに先制点を取ったことで逆に難しくなってしまった。

 クロアチアが細かくつなぐことを捨てて、長いボールやクロスを多用するようになった。日本にとって嫌なやり方に変えてきたことで、相手の流れになってしまいましたね。

 そこで日本にも別のやり方があればよかったんですが、変化をつけられなかった。そういう意味では、プレーの幅であったり、戦術の幅というのが足りないなと、純粋に日本の勝利を願う立場から見ていて感じましたね」

── 敗れたコスタリカ戦でも、ボールを持った時にどうやって崩していくか、というところが課題として浮かび上がりました。

「やろうと思えばやれると思うんですけど、勇気であったり、やろうという姿勢があまり見られなかったなと。どうしてもリスクの少ないほうを選んでしまったイメージがあります。前につければいい場面でも、横パスに逃げていたシーンもありました。そこは意識として変えていかなければいけないと思います。

 やっぱり、5-4-1のブロックを敷けば、どんな相手でもある程度、守ることはできます。そこからどうやって自分たちの時間を長くしていくかと、いうところは、改善していく必要があるでしょうし、これから日本サッカーがもっともっと取り組んでいかなければいけないところだと思います」

── 今回のインタビューでは、稲本選手と同じボランチの選手について深堀りできればと考えています。今大会では、遠藤航選手(シュツットガルト)、守田英正選手(スポルティング)、田中碧選手(デュッセルドルフ)の3人がボランチとしてピッチに立ちましたが、それぞれのパフォーマンスはどのように映りましたか?

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