「4年間それがやりたかったのか」というサッカーで敗れた日本代表を総括。これからの3年半で必要なこととは (3ページ目)

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【もっとじたばたしてほしかった】

杉山 選手のクオリティが上がっているのは認めます。ただ、守備は計算ができない。昔と違って、世界的にFWのレベルが上がっているいま、ゴールは入る時は入っちゃうんです。そこはある程度割り切りも必要。守りに入った末に点をとられるのは理屈に合わないんだけど、よく考えたら理屈どおり。いくら頑張っていても、入れられる時は入れられる。問題はそのあとの対処方法がないこと。それこそ三笘をウィングに上げるとか、鎌田大地をCFに上げるとか、もっとじたばたしてほしかった。

浅田 本当にそう。86分に南野拓実を入れますが、あのタイミングで入れる意味は何だったのか。どうせ代えるなら、まだ交代枠は残っていたわけですから、延長を見越して2枚替えしてしまうとか。格下がどうにかして番狂わせを起こそうとしているわけですから、じたばたしてほしかったですね。

杉山 交代にメッセージ性がないですね。今回、26人に選ばれたけれどまったく出番がない選手もいた。もちろん紙一重のところで落選した選手もいる。僕は監督が代わったほうがいいと思う理由のひとつは、4年に1回、価値観を変えたほうがいいと思うからです。価値観が同じだと、紙一重で選ばれなかった選手は落ちたままになる。そこをひっくり返すという意味でも、違う価値観の監督にしたほうがいい。

浅田 監督についていうと、これは森保一監督の能力的なこととは関係ないかもしれませんが、今回は監督の五輪代表との兼任が大きかったと思っています。最後になって相馬勇紀が選ばれましたよね。本格的にA代表に入ったのは9月の欧州遠征からだけど、五輪チームでやっていたから、スムーズに入ってこれた。結果的に五輪世代がこれだけメンバーに入ったのは初めてのことだし、そのなかから三笘、田中碧、堂安律、前田大然らが出てきて活躍しました。森保監督がA代表だけの監督だったらこうはいかなかったかもしれません。だから今後も、A代表の監督が直接、五輪代表の指揮を執るかどうかは別にして、大将を一緒にするというやり方は続けてほしいと思います。

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