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「4年間それがやりたかったのか」というサッカーで敗れた日本代表を総括。これからの3年半で必要なこととは (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by JMPA

【三笘を入れたらそれで終わり】

浅田 試合の流れでいうと、結局、今回の日本代表というのは三笘をどう使うかにかかっていた。この試合も60分過ぎに入れたわけですが、そこから日本はほとんど何もすることができなかった。そして悪く言えば3バックの付け焼刃的なところが出ました。ひたすら最終ラインで守っている三笘を見なければならなかった。

戦略としては三笘を入れたらそれで終わり。4バックにして左の三笘を押し上げるわけでもない。結局、ドイツ戦の成功体験によくも悪くも引きずられました。「よくも」というのはスペイン戦なのかもしれませんが、ベスト8に進むということは、決勝トーナメント1回戦で勝つということ。つまりここでクロアチアに勝つために4年間を積み上げてきたはずですが、まさにそこでどうするかという時に、4年間それがやりたかったんですかというサッカーで負けた。歯がゆかったですね。

杉山 トップで浅野拓磨がプレスをかけていたというけど、ひとりで走っているだけでしょう。別に浅野が悪いというわけではなく、ボールは収まらないし。「コンパクトな守備からハイプレス」という話はどこへ行ったのか。あれを見てどうしたら「日本、よくやった」という話になるのか、理解できません。

浅田 クロアチアとW杯で戦うのは3回目じゃないですか。98年も06年も、暑い中で頑張ったとはいえ、ほとんどチャンスは作れないままで終わった。それを考えれば、少なくとも前半はある程度ボールを保持できていたし、先制することもできた。日本の選手のクオリティが上がっていることを証明した試合だったとも言えます。

 だからこそもう少し何とかできなかったのか。後ろに人数をかけて守れるのが3バックというか5バックのメリットのはずなのに、すごくシンプルなクロスから失点しています。これをやらせないための5バックだったんじゃないの、と。その後、何もできなかったことを含めて、いろいろな意味で従来の戦い方と本番での戦い方の振れ幅が大きすぎた。

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