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「ピピ」中井卓大、4年ぶりの日本代表。レアルでの3年間で「プレーは変わった」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

中井卓大のプレーに変化?

 中井自身は15歳から18歳までの3年間で、身長が30cm伸びたと言う。それにより、プレースタイルが変化した。

「プレーは変わりましたね。前はドリブルとか得意だったんですけど、今は2タッチとか簡単にはたくっていうプレーヤーになって。たまに仕掛ける時は仕掛けて。

 ドリブルあってのパスなんですけど、ドリブルよりは先にパスをってなりました。ドリブルは身長が小さい時のほうがキレがありましたし、でかくなったら動きも遅くなりますし」

 小柄で切り裂くような仕掛けを得意とするタイプから、中盤のプレーヤーとして周囲と連係連動しながらのプレーも覚え、プレーの幅が広がったということだろう。U-19日本代表を率いる冨樫剛一監督も「単にスピードだけなら速くなっているはずだし、まだまだ速くもなるはず。きっと感覚とか周りとの関係が変わったんだろうね」と、決してスピードを失ったわけではないと受け止めている。

 中井の所属するレアル・マドリード・カスティージャは、いわばトップのリザーブチーム。ラウル・ゴンザレスが監督を務めており、スペインの3部リーグを戦う。中井のようにU-19から昇格した選手や他クラブからの移籍組も在籍し、それぞれがトップ昇格を夢見てしのぎを削っている。

 中井はこのチームにこの夏から加わったばかりで、全12試合のうちまだ出場は1試合、4分間のみ。それでも、負傷者が出たタイミングなどでトップチームの練習に参加することもあるという、なかなか難しい時期を過ごしている。

「よくトップチームの練習には呼ばれるんですけど、まだカスティージャ1年目なので、まだうまく絡めてなくて」

 レアルの看板を背負うことは簡単なことではない。

「やっぱレアルは世界一のクラブなので誇りにも思いますし、ピッチ内でも外でもちゃんとレアルの選手として接しなあかんし、紳士のレアルなので紳士的な感じで生きていかなあかんと思ってます」

 でも、と言いつつ、こうつけ加えた。

「レアル・マドリードの選手の何がいいかって、サッカーを楽しんでる、一番楽しんでるなって感じてることですね」

 うれしそうかつ誇らしそうに話してくれた。

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