中村憲剛が予想外の成長速度に驚いた。板倉滉は「何が起きた?」守田英正は「完全にチームの中心」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 また、あの年はチーム事情でボランチだけではなく、右SBでもプレーしていましたから。だから、当時の守田はいろいろな意味でしんどかったと思いますよ」

── 苦しんだ2年目を経て、3年目の2020年には見事に復活を遂げます。何が起きたのでしょうか。

「2020年はシステムが4-3-3に変わって、当初は(田中)碧(デュッセルドルフ)がアンカーで、守田はその控えだったんです。その状況にもいろんな葛藤があったと思いますが、最初になかなか試合に出られなかったこと、アンカーにトライしたことは結果的には守田にとってよかったと思います。

 アンカーは役割にある程度制限もあるので、余計なことができないというか、あれもこれもという欲を出せないんですよ。その役回りのなかで、チームのために汗をかいていた1年目が思い起こされたんじゃないでしょうか。

 自分のやるべきことに集中することが、チームの力になる。そういう考えが生まれたことでパフォーマンスもどんどん安定していき、徐々に出場機会を増やしていって、最終的には碧をインサイドハーフに押しやりましたからね。アンカーはチームの結果を左右する重要なポジションですから、その責任感が当時の守田にとっていい方向に行ったんだと思います」

── 守田選手にもいろんなアドバイスをされたと思いますが。

「ボールの受け方や立ち位置のところは、守田にも、碧にもかなり言いました。相手を見ながら、自分のポジションを含めて相手の対策をいかに上回るかというところにフォーカスして、頭をフル回転させろと。彼はそれを見事に体現していましたね。

 ただ、そこからの守田の成長速度は、彼の努力もあって本当にすごいと感じます。ポルトガルに行ってからは、サンタ・クララでも、スポルティングでも、それぞれのスタイルを吸収しながら、どんどん成長していますね。勉強熱心だし、言葉にするのが上手になったなとも感じます」

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