サッカー日本代表のカタールW杯でのメンバーを福田正博が考えた。「堅守速攻」を想定した時に当落線上の選手は?

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Nakashima Daisuke

福田正博 フットボール原論

■サッカー日本代表のカタールW杯でのメンバー26人が、11月1日に発表される。おおよそこれまでと同じメンバーになることが予想されるなか、福田正博氏は選手のコンディションと本番での戦いの想定で、選ばれるメンバーが変わってくると指摘。各ポジションの現状を分析してもらった。

ベンチに置いてもチームを助ける存在が重要

 カタールW杯に臨む日本代表のメンバー発表が11月1日に行なわれる。今回のワールドカップの登録選手数は、従来の「23」から3枠増えて「26」。増えた3枠をどういう意図を持って使うかも興味深い。

11月1日、森保一監督はどんなメンバーを選ぶだろうか11月1日、森保一監督はどんなメンバーを選ぶだろうかこの記事に関連する写真を見る 森保一監督のこれまでのチーム作りのマネジメントを振り返れば、おおよそこれまでの日本代表と同じメンバーになると思っている。

 まずGKは権田修一(清水エスパルス)とシュミット・ダニエル(シント・トロイデン)。ここに経験豊富で、ベンチに置いてもチームを助ける川島永嗣(ストラスブール)が加わると予想している。

 この「ベンチに置いてもチームを助ける存在」というのが、ワールドカップを戦うメンバー選考では重要なポイントと言える。「スタメンではないがベンチに置いておけばいい」と考えがちだが、現実はそう簡単ではない。

 今回のワールドカップで試合に出られる選手の最大数は、基本的にスタメン11人+交代枠5人の16人。これがグループリーグでまず3試合ある。試合間隔が中3日であることを踏まえれば、もう少し人数は増える可能性はあるが、それでも26人全員が試合に出場するわけではない。

 選手なら誰もがスタメンで出たい気持ちを持っているが、それをグッと抑えて、与えられた役割をまっとうする。これがワールドカップでのチーム一丸の戦いにつながっていくわけである。

 ところが代表クラスの選手というのは、所属クラブでは主力選手として働いている。当然ながらサッカーに対してのプライドや自負心は強い。それでもワールドカップを迎えるまでに代表内でのレギュラー争いは終結している。そのため、レギュラー以外の選手はチームの一員としての振る舞いをするし、これができない選手は選ばれない可能性があるということだ。

 つまり、不満分子になりうる選手はチーム崩壊につながるために選出しない判断もある。もちろん、ふだんはスタメンで出ている選手を途中出場で使っても持ち味を出せないケースもあるため、除外することもある。

 各国代表の過去大会を振り返れば、スタメン出場できない主力級の選手たちの行動によってチームが崩壊したケースはいくつもある。そのリスクを回避するのも、監督のチームマネジメントには求められるのだ。

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