サッカー日本代表のカタールW杯でのメンバーを福田正博が考えた。「堅守速攻」を想定した時に当落線上の選手は? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Nakashima Daisuke

DF&ボランチの顔ぶれは、板倉滉次第

 DF陣は不動だろう。吉田麻也(シャルケ)と冨安健洋(アーセナル)の両センターバック(CB)、右サイドバック(SB)の酒井宏樹(浦和レッズ)、左SBの中山雄太(ハダースフィールド)と、6月の国際親善試合で評価を高めた伊藤洋輝(シュツットガルト)は間違いなくメンバーに名を連ねるはずだ。谷口彰悟(川崎フロンターレ)はCBの控えとして名を連ねるだろうし、9月の国際親善試合ですばらしいパフォーマンスを見せた長友佑都(FC東京)もぜひとも連れていきたい選手だ。

 板倉滉(ボルシアMG)は、今季のパフォーマンスを考えればメンバー入りは間違いない。彼が加われば、DFラインだけではなく、ボランチの層にも厚みは増すからだ。それだけに故障からの回復状況が気になるところだが、11月上旬に復帰できるという話もある。ただ、私も同じ箇所をケガしたことがあるが、楽観視はできないだろう。

 あとは故障しがちな右SBの酒井のバックアッパーとして山根視来(川崎)を入れるのかどうか。板倉が復調してCBに起用できれば冨安を右SBに入れる手もあるし、3バックで戦うケースなら違う選手を使う選択も生まれる。それだけに、ここの判断をどう下すかには注目している。

 ボランチ陣も遠藤航(シュツットガルト)と守田英正(スポルティング)は、どちらか一方でもケガなどによってW杯メンバーから外れる状況が起きれば、その瞬間に日本代表に暗雲が立ち込めると言えるほどだ。間違いなく選ばれるだろう。

 中盤はこのふたりを軸にして、バックアッパーやインサイドハーフ、トップ下の選手をどう選んでいくか。守備的MFにはこれまで日本代表の常連組では、田中碧(デュッセルドルフ)、原口元気(ウニオン・ベルリン)、柴崎岳(レガネス)がいる。

 ここに板倉という選択肢があることを前提に考えれば、まず田中碧はメンバーに入ってくるはずだ。スタメン出場した9月のエクアドル戦は空回りしていたように映ったが、遠藤が途中出場してからは本来のプレーを見せた。また守田と組んでも、板倉と組んでも、3選手とも元川崎だけにコンビネーションに不安はないのは大きい。

 原口は所属クラブのウニオン・ベルリンがリーグ戦で首位(10節終了時)を走っているが、本人はあまり出場機会に恵まれていない。ただ、ボランチとしてのプレーに加えて、3バックで守備を固める時にウイングバックもできる。

 守備で精力的にボールを追いかける原口の姿は、彼の10代の頃を知る者としては予想外のものだが、31歳になったいまの姿も悪くない。この変化こそが成長であり、彼が試合に出るためには何が求められているかを理解している証でもある。前回大会でワールドカップの怖さを知っているだけに、メンバーに入れたいところだ。

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