サッカー日本代表の1トップ問題。福田正博が戦術面だけでなく未知なる要素からも起用を推す選手とは? (4ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Nakashima Daisuke

キックのスペシャリストを加えるべき

 カタールW杯の対戦相手を考えると、日本代表の行く末は楽観視できるものではない。だが、それだけに戦い方は決まっている。

 まずはしっかりと守ること。吉田麻也(シャルケ)、冨安健洋(アーセナル)を中心としたDFラインと、遠藤、守田の守備的MFが連動して相手からボールを奪う。相手の攻撃を限定させるために、1トップやトップ下、両サイドの選手たちが連動してボールホルダーを追いかける。これを徹底して、90分間継続する。そのなかで数少ないゴールチャンスをものにする。

 いかにしてゴールを奪うかという面では、日本はフリーキックやコーナーキックなどのセットプレーに課題を残している。ここはキックのスペシャリストを加える手があっていいのではと思う。

 そこで推したいのが山中亮輔(セレッソ大阪)のようなスペシャルなキッカーだ。キック精度にだけフォーカスすれば、いまの日本人選手で彼を超える存在はいないだろう。彼の左足からのクロスやフリーキックの精度はそれほど群を抜いている。

 例えば、ドイツ戦に負けて、コスタリカ戦も相手と拮抗した展開で終盤になれば、必要なのは守備ではなく、ゴールの確率を高める武器だ。

 ピンポイントクロスを供給したり、セットプレーから直接決める。そうしたキック精度を持った選手がピッチにいれば、得点の可能性は高まる。

 それだけに、試合状況に応じて起用するスペシャルキッカーをW杯メンバーに加えることを強く推したい。果たして11月1日、森保監督がどういう判断を下すのか。楽しみにしている。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る