日本代表はなぜ「ローテーション起用」に消極的? 東京五輪もロンドン五輪も最後は息切れ。W杯でも同じ過ちを犯すのか (2ページ目)
メダルを逃した最大の要因
その結果、準決勝では選手たちの動きが明らかに重く、地元ウズベキスタンの勢いに飲まれることになった。
もちろん、そこには、大会中に新型コロナウイルス感染の陽性者が複数出たことの影響もあっただろう。準決勝と3位決定戦では、日本のベンチには7人の控えメンバーしかいない状況に陥っていた。これでは先発メンバーどころか、5人の選手交代すらかなり限られてしまう。
「フィジカル(の消耗)は、肉体と精神が噛み合わさってのこと。アクシデントがあって生活が制限されるうえ、こういう気候条件(暑さ)もある。それでも戦わないといけないが、いろんな側面がある」
チームを率いる大岩剛監督もそう語り、苦しかった台所事情を明かしたように、替えたくても替えられない。そんな側面もあったに違いない。
だとしても、「勝ち上がるほど(試合数が増えて)体力は消耗するのが必然」(大岩監督)というなかで、結果として今後に生かすべき事例となったことも確かだろう。
これに似た事象は、昨年の東京五輪でも見られている。
日本はグループリーグ初戦から準決勝までの5試合で、先発メンバーをほぼ固定。すべての試合に先発出場した選手は8人もいた。その結果、準決勝で敗れたばかりか、3位決定戦にも連敗。目標に掲げていた金メダルどころか、銅メダルすらも手にできなかった。
また、2012年ロンドン五輪もそうだった。
日本は3位決定戦まで全6試合を戦ったが、すでに決勝トーナメント進出が決まっていたグループリーグ第3戦で大きく入れ替えたのを除き、ほぼ完全に先発メンバーを固定(グループリーグ第2戦でひとりが入れ替わったのみだった)。同じメンバーが試合に出続け、目に見えて消耗していった日本は、準決勝、3位決定戦と連敗し、1968年メキシコ五輪以来となる44年ぶりのメダル獲得を逃した。
ここに挙げた2度の五輪は、中2日で試合をこなすなかで大会終盤に息切れしたという点で共通する。
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