森保ジャパンで唯一の新戦力。伊藤洋輝が左サイドバックに定着するためには何が必要か (2ページ目)

守備、攻撃両面でまだ課題がある

　ただし、当然ながら欠点、改善点はある。

　チュニジア戦の１失点目は、伊藤が敵の最終ラインからのロングボールを競りにいったものの、相手選手と被ってしまって奪いきれなかったことがきっかけ。そこからスルーパスを出され、相手FWに吉田麻也がスライディングにいってPK献上へとつながった。

　試合後の森保一監督は、伊藤のミスについて問われると、こう答えている。

「所属チームでは３バックの左をやっているということで、少しサイドへのアプローチが遅れるというところはトレーニングのなかでもあったし、実際のゲームでも起きている」

　練習からサイドでの対応に難ありという特徴を把握していたことを認め、ガーナ戦でも似た場面があったことも指摘したうえで、「この経験をもって、彼には修正してもらいたい」と、期待を込めた。

　ミスとその改善点について、森保監督は伊藤本人と次のように話しているという。

「所属チームでやっているポジションと代表でやるポジションは違うかもしれないので、使い分けながらプレーしてほしいと話した。（相手に）入れ替わられたり、遅れながら（プレスにいって）外されたりという状況もあったが、ディフェンスラインに止まって何もしないよりは、ここだというところでチャレンジしてくれたことを認めてあげたい」

　攻撃面においても改善が必要だろう。３バックと４バックでは役割が違う。同じ左でも立ち位置や視野、角度も違う。中央や対角へのロングフィードへの意識は高いが、自分のひとつ前でプレーする南野拓実、三笘薫の動き出しをはじめ、左サイドでの連係を高める必要がありそうだ。

　チュニジア戦の前日、吉田麻也は伊藤についてこう話していた。

「サイドバックはそんなにやっていないと思うが、センターバックと両方できるのはチームにとってもプラス。国際経験（の少なさ）だけが問題、懸念かなと思うが、サポートして補っていければと思う」

　吉田は続けて、チームとして抱えてきたこれまでの課題についても、さらっと触れている。