2022.06.11

サッカー日本代表の攻撃陣にミスキャストは続く。ガーナ戦大勝を喜べない理由

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 4-1で勝利したガーナ戦。1失点は山根視来のミスキックに起因していたので、内容的には4-0と言ってもかまわない。カタールW杯出場国に、これ以上望めないスコアで大勝した日本。だが、喜ばしい気持ちは少しも湧いてこない。なによりガーナからやる気が伝わってこない、緊張感に乏しい典型的な練習試合だった。

 とはいえ、11月21日に開幕するW杯本大会から逆算すれば、貴重な試合である。チームには完成度が求められている。まさに仕上げの段階にさしかかっているのだが、筆者の満足度はかなり低い。特にアタッカー陣である。

 選択肢が増えていることは確かだ。実力的に甲乙つけがたい名前が並ぶ。実力的に10段階で8以上をつけたくなる世界的な選手はいないが、6、7の選手は揃っている。顔ぶれはいつになく豊富だ。これらの駒をいかにきれいに並べるか。監督の手腕が問われている。

 しかも選手交代枠5人制だ。交代の一番の対象はアタッカーになるので、23人から26人に変更になるとされる登録枠のその増員分は、ほぼそのまま彼らに回るだろう。カタールW杯に臨む代表監督に問われているテーマは、ハッキリしているのだ。

 その認識が、森保一監督には欠如しているように見えて仕方がない。アタッカー陣の構成は混沌とするばかりだ。日本代表監督になる以前、サンフレッチェ広島時代の指導歴を振り返れば、森保監督には両ウイングがついた3トップで戦った経験がない。交代枠5人制で戦った経験もない。森保監督に懐疑的な視線を送りたくなる、大きな理由のひとつだ。

ガーナ戦の前半29分、山根視来のゴールで先制した日本ガーナ戦の前半29分、山根視来のゴールで先制した日本 この記事に関連する写真を見る  このガーナ戦でも、その不安が露呈することになった。森保監督は残り10分という段になって、南野拓実と前田大然を三笘薫、上田綺世に代えて投入した。前田は上田が張っていた1トップに、南野は三笘が務めていた左ウイングにそのまま入った。

 森保監督の従来どおりのキャスティングながら、筆者にはこれがミスキャストに見えて仕方がない。なぜ南野は左ウイングなのか。前田を左ウイングに配し、南野を1トップに据えたほうが断然、きれいな形になるとは思わないのだろうか。