サッカー日本代表の攻撃陣にミスキャストは続く。ガーナ戦大勝を喜べない理由 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ガーナ戦で森保監督がその1トップに起用したのは上田綺世だった。快足系でもポストプレーヤーでもないCF。ひと言でいえばシューターだ。所属の鹿島アントラーズではゴールを量産しているが、それは1トップ脇に鈴木優磨という多機能型選手が近くで構えていることと深い関係がある。

 鈴木とは対照的に、上田はトップの位置から動かない。ひたすらシュートの瞬間を探ろうとする。周囲と絡むのはうまくない。ポストプレーヤーではまったくない。ガーナ戦でも、待つのみのプレーに終始した。4-3-3ではなく、鈴木的な選手が近くに構える4-4-1-1、あるいは4-2-3-1でないと生きない選手。これもミスキャストだと言える。

 4-3-3をベースに語るならば、伊東が一歩リードする右ウイングに対して、左は三笘の台頭が目立つ。南野の行き場が見えにくくなっている。実力者、鎌田も収まる場所が見えていない。

 そして肝心の1トップは、大迫の調子が戻れば、そのまま一番手になるのか。それではチームに勢いはつかないとは、筆者の意見だが、アタッカー陣の構成全体が、好ましくない方向で混沌としていることは確かである。

 パラグアイ戦、ブラジル戦、ガーナ戦とこれまで3試合を行なったが、1戦1戦、よくなっているフシが見られない。積み重ねも感じない。今年11月に、劇的な改善がされているとは思えない。森保監督の力不足を感じずにはいられないのである。 

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