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サッカー日本代表の歴代最強はどのチームか? 識者5人が考えたベスト3 (4ページ目)

  • photo by Getty Images

1位/西野ジャパン(2018年ロシアW杯)

2018年ロシアW杯を戦った、西野ジャパンの主要メンバー2018年ロシアW杯を戦った、西野ジャパンの主要メンバーこの記事に関連する写真を見る

日本人選手の特長をストレートに反映

杉山茂樹(スポーツライター)

 サッカーは足でボールを扱う競技なので、手で扱う競技に比べて競技性において上達の余地が残されている。

 プレッシングという戦い方がそれを後押しする。選手の技量は基本的にいまが一番うまい状態にある。日本代表で言えば森保ジャパン。なんだかんだ言っても代表史上では現代表が一番強い。ベスト8を目前にしながら散った西野ジャパンさえも凌ぐ。

 だが、他国も同様にレベルを上げている。問われているのは世界的に見た上昇率だ。西野ジャパンはそうした意味で優れていた。

 過去の代表チームより、左右のバランスに優れた攻撃的で見栄えのいいサッカーを展開。結果的に、日本人選手の特長がピッチ上にストレートに反映されることになった。

 ロシアW杯初戦の対コロンビア戦で、主審が日本にPKを与え、さらに相手を退場に処すラッキーな判定がなければ、日本のベスト16入りはなかったと思うが、ベルギー戦や2-2で引き分けたセネガル戦は、日本がこれまでW杯本大会で戦った21試合のなかで、1番と2番と言いたくなる内容だった。

 最高のエンターテインメントを披露しながらベルギーに敗れた。西野采配がもう少し上等だったら勝てたかもしれないと残念がる気持ちと、名勝負を堪能した満足感とが交錯する幕切れに陶酔した。

 サッカーの魅力を全開にしたという点において、西野ジャパンは大きな価値があった。

日本サッカーの成長と可能性を示した

小宮良之(スポーツライター)

 西野ジャパンは、ロシアで日本サッカーの成長と可能性を高らかに示した。

 緊急的な監督就任で、チームを作る時間的猶予はないに等しかった。しかし欧州リーグで活躍する選手が増えていたこともあり、ピッチで柔軟にプレーを適応させ、最大値を叩き出した。

 行き当たりばったりでも、極端に守りに入らなくても、理想だけを追求しなくても、能動的なサッカーで結果を出したのだ。

 グループリーグ、コロンビア戦では序盤で相手をひとり少ない状況にしたのが勝利の要因になったが、それも怯まない戦いがもたらしたものだった。セネガル戦も互角に渡り合って引き分け。

 ポーランド戦はベスト8も視野に入れてメンバーを落とし、負けはしたが、得失点差で決勝トーナメントに駒を進めた。他会場次第で負けを受け入れる姿勢は批判を浴びたが、立派な老練さである。

 そして迎えたベルギー戦は、歴代代表ベストマッチだった。プレー面のスペクタクル性においても、手に汗握るエモーションの点でも、あるいはサッカーの真理においても。

 原口元気、乾貴士の得点シーンは語り草。一方でベルギーの反撃も見事で、アディショナルタイム、CKからのカウンターはその数十秒だけで物語になった。

 日本は真っ向勝負で、最後の最後に敗れた。虚脱感は激しかったが、誇りにも思った。日本サッカーが、世界の強豪に掛け値なしで互角に戦えたのだ。

「現場にいられて幸せ」

 素直にそう思えた瞬間だった。

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